「うちは人が定着しない」
中小企業の社長から
この言葉を聞く回数が
年々増えている気がします。

給料が安いから?
休みが少ないから?
もちろんそれもあるでしょう。
でも私が気になるのは
もっと手前のことです。
目次
1. 「人が辞める会社」は情報が届いていない
2. 問題は「伝えていない」ではない
3. 「言った」と「届いた」は違う
4. バラバラに見えて同じ場所で止まっている
5. 大事なことほど複線で届ける
厚生労働省の雇用動向調査によると
従業員30〜99人の中小企業では
新卒入社3年以内の離職率が
42〜48%に達します。
大企業(5,000人以上)の
20〜24%と比べると約2倍。

では辞める理由は何か。
日本労働調査組合の調査では
「職場の人間関係」と
「評価・待遇への不満」が
同率1位(38.6%)。
3位が
「仕事の進め方が非合理」で
26.5%。

ここで注目したいのは
1位と3位の共通点です。
人間関係がうまくいかない。
評価に納得できない。
仕事の進め方に疑問がある。
全部「情報が届いていない」
という一点でつながります。
なぜこの仕事を外されたのか。
昇給の基準は何なのか。
会社はどこに向かっているのか。
これが伝わっていない。
ここからが本題です。
多くの経営者は
「伝えていない」のではありません。
「伝えたつもり」なんです。

以前あるオンライン勉強会で
複数の経営者が口を揃えて

と話していました。
私はそこで言いました。

おそらくほとんど
伝わっていないと思います
ちょっとシーンとしました。
その勉強会で
社員の立場で参加していたのは
私だけだったんです。
経営者同士なら
「うちもちゃんと伝えてるよ」
で終わる話です。
でも社員側の人間が
「伝わっていません」と言うと
空気が変わる。
あの沈黙は
「図星を指された」
という沈黙でした。
なぜそう言い切れたのか。
前職で私は
経営企画という立場上
社長のすぐ横にいました。

社長が朝礼で話す内容を
私は全部聞いています。
だから覚えている。
でも現場の社員に
「社長がこの前言ってたこと
覚えてますか?」
と聞くと
「え、そんなこと
言ってましたっけ?」
これが何度もありました。
考えてみれば当然です。
朝礼が終わったら
社員はすぐ仕事に入る。
メモを取る場でもない。
その日の申し送り事項や
目の前の作業に関することなら
伝わります。
でも「会社の方向性」
「評価の考え方」
「なぜこの判断をしたか」
こういう話は
朝礼で一度言っただけでは
届かない。
社長は「言った」という
事実を覚えている。
社員は「聞いた記憶がない」
という感覚で動いている。
ここにズレが生まれます。
人が辞める。
評価に不満がある。
人間関係がギスギスする。
若手が育たない。
バラバラの症状に見えます。
でも全部
同じ場所で止まっています。
「届けたつもりの情報が
届いていない」
という場所です。

社長は伝えた。
でも届いていない。
届いていないから
社員は判断できない。
不満がたまる。
信頼が崩れる。
人が辞める。
私自身はどうしているか。
大事なことほど
一つの手段で済ませません。
チャットツールで書いて残す。
そのうえで口頭でも伝える。
必ず二つ以上の手段を使います。
顧客対応でも同じです。
メールを送ったらすぐ電話。
電話したらすぐ確認メール。
一つの手段だけでは
「送った」で終わる。
二つ重ねて初めて
「届いた」に変わります。
朝礼で一度言っただけで
届くはずがない。
届けたいなら
伝え方を複線化する。
足跡を残す。
そこまでやって初めて
「伝えた」と言えます。
給料を上げる前に。
福利厚生を充実させる前に。
「伝えたつもり」が
本当に届いているか。
一度確認してみてください。
まず現状を整理したい方
お気軽にどうぞ。
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