現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

原爆資料館の「見ない選択」と、反応が薄い社員

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今日は8月6日です。
広島に原爆が落とされた日です。
 

原爆資料館に
2028年度から
子ども向けのエリアができる。
そんなニュースを見ました。

 

凄惨な写真や絵を
見るか見ないか。
子ども自身が選べるようにする。
「選択展示」というものです。

 

この選択展示に
被爆者の方は反対しているそうです。

 

悲惨な資料を見ずに
核廃絶は語れない。

学校関係者は歓迎しています。

安心と学習を両立できる。

どちらも
届けたい中身は同じです。
割れているのは伝える手段です。

 

しっかりと伝えたいから
手段で割れます。

 

伝え方が変われば
伝わるかどうかが変わる。
だから両者とも譲りません。

 

 


 

40年以上前に見ない選択をした人間

 

私の母親は広島出身です。

 

母は子どものころに
山の向こうにきのこ雲を見た
と言っていました。

 

ただ本人にも
それが本当に見た記憶なのか
後から映像で刷り込まれたものか
判別がつかないようです。

 

小学5年生の夏、自由研究で
広島の原爆を取り上げ、

母と一緒に原爆資料館を

みっちり見ました。

 

そして小学6年生になり

担任の先生も変わりました。

 

修学旅行の行き先が広島、

目的は平和学習です。

 

私は友人たちと
資料館をさっと通り抜けました。

もう見た。
もうぜんぶ知ってる。

通り抜けた理由の半分はそれです。

 

残りの半分は

正直、気持ち悪いから
もう見たくない。

という気持ちでした。

これは事実です。

 

前の年に母と見たことも、
もう見たくなかったことも、
そのとき私は先生に言いませんでした。

 

資料館から出てくるのが
早すぎた私たちは
すぐ先生に見つかりました。

 

会話

「もう一度入って最初から見て来い」

先生にそう言われて
私たちはしかたなく引き返しました。

 

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先生は間違っていません

 

先生は私が前の年に
資料館へ行ったことを知りません。

 

だから初めて見ると思い

会話

しっかり学んで来い

と言いました。
当然の対応です。

 

しかも先生が私たちを見とがめたのは
出てくるまでの時間の短さです。

会話
あの速さで展示を見られるわけがない。

先生がそう考えるのは
無理もありません。

 

そして私は
去年見たって言えばよかったのに
言いませんでした。

 

伝えていないことは
相手には伝わりません。

 

当たり前の話です。

 

けれどこの当たり前が
会社では毎日起きています。

 

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反応が薄い人に貼られるラベル

 

研修中にスマホを見ている社員。
説明会で下を向いている幹部。
手順書を読まない若手。
何度話しても反応が薄いベテラン。

 

社長はこう言います。

会話
「うちは主体性がない」
会話

「危機感が足りない」

社員の反応の薄さに
社長視点でラベルが貼られていきます。

 

でも一人ずつ話を聞くと
状態はバラバラなんです。

 

すでに知っている人がいます。
別の場で先に聞いた人がいます。
一度聞いて忘れた人がいます。
そもそも伝わっていない人がいます。

 

反応が薄いのは
主体性の問題ではありません。

 

同じ社員でも
知識や経験、そして考え方は
ひとりひとり違うからです。

 

だから同じ言葉が
まったく同じようには届かないのです。

 

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正しい言葉が刺さるとき

 

私のクライアント先で
実際にこういう場面を見ました。

 

その会社で業務改善プロジェクトが
立ち上がりました。

 

社長はこう言いました。

会話
「これは君たちの仕事を
進めやすくするためだ」
会話

「君たちのことなんだから
君たちが主体的にやってくれ」

なにも間違っていません。
社長には善意しかありません。

 

けれど社員はこんな風に
受け取っていました。

 

 

お前たちがやれよ。
お前たちのことなんだから。

社長は社員の顔を見て
まだ真意が伝わっていないと感じます。

だからもう一度言います。
次はもっと熱く語ります。

 

そして社員はますます
げんなりしていきます。

 

その光景を私はコンサルとして
すぐそばで見ていました。

 

熱く語る社長と
下を向く社員。

 

同じ場所、同じ人、同じ言葉でも
これだけの差ができるのか、と思いながら。

 

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強く言うほど伝わらなくなる

 

さきほどの話を
思い出してください。

 

すでに知っている人。
別の場で先に聞いた人。
一度聞いて忘れた人。
伝わっていない人。

 

どれも声の大きさや
口調の厳しさでは変わりません。

 

それでも伝える側は
強度を上げます。

 

声を大きくします。
回数を増やします。
資料を厚くします。
会議を長くします。

 

実は私も昔、これをやっていました。
家庭でも仕事でもです。

 

何度も言う。
声を大きくする。
良かれと思っていました。

 

その光景を横から見る立場になって
はじめてわかりました。

 

この構図では伝わらない。

相手が何を知っているか、
何を経験しているかを確認しないまま
自分の感覚だけで
こいつらはわかっていない
と判断する。

 

そこから強度を上げる。
それこそ逆効果です。

 

 

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削られるのはあなたのせいではない

 

伝わらないと感じ続ける人は
確実にメンタルを消耗します。

 

自分の伝え方が悪いのか。
相手にやる気がないのか。

 

その往復で
メンタルが削られていきます。

 

私はここが
いちばん伝えたいところです。

 

 

伝わらない原因は
伝え方の下手さではありません。
相手のやる気のなさでもありません。

 

相手が何を持っているかを
知らないまま伝えているからです。

 

反応が薄い人は
主体性がないのではありません。
すでに持っているものが違うだけです。

 

これを知っているかどうかで
伝える側の消耗が変わります。

 

先週の朝礼で話した内容を
いま何人が説明できますか。

 

説明できなかった人は
何を持っていて
何を持っていないのでしょうか。

 

そこを確かめないまま
もう一度強く言うのは
私が引き返したあの日と
同じことになります。

 

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何度言っても伝わらない。
その消耗を一人で抱えている方。

 

相手が何を持っているか。
そこから一緒に見ていきます。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。