現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「俺には無理やわ」の半笑いが、AIでまた繰り返されています

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会話

「会社では入れていない。
禁止もしていない。
使うかどうかは本人しだい」

いま中小企業のAIの扱い方で

いちばん多いのがこの回答です。

 

商工中金が2026年1月に調査しています。
中小企業3,892社の回答です。

 

生成AIの導入状況をたずねた設問で
最も多かった回答がこれです。

会話
「会社での導入は行っておらず、
使用も個人の判断に任せている」

64.9%でした。

 

禁止・制限している先は1.4%です。

 

3社に2社が
止めてもいないし
教えてもいません。

 

気になる設問がもうひとつあります。
5年後の業界のAI環境をどう見るか。

 

製造業でいちばん多かった答えは

会話
「業界全体としてAIの活用は
限定的であり、大きな変化は
起きていない」

が37.8%です。

 

情報通信業はどうか。
AIで業界のあり方が根本から
変わると答えた先が52.8%。

 

同じ5年後を見ているはずなのに
IT業界と製造業では
見えている絵がまるで違います。

 

 

 


教える人がいないのは昔からです

私がこの数字で気になったのは
AIが来るか来ないかではありません。
来たときに教える人がいるかです。

 

2025年版の中小企業白書には
人材育成を増やしていない会社が
感じている問題点の図があります。

 

 

上位に並ぶのは

「育成に充てる時間的余裕がない」

「指導する人材が足りない」

 

製造業では5年よりもっと前からです。

 

大阪府中小企業診断協会が2018年に
まとめた技能伝承の調査では
人材育成を問題視している会社が
全体の7割近くを占めています。

 

その対策で最も多かったのが
「再雇用を行い指導者として活用」で
63.5%でした。

 

次が「中途採用を増やしている」で
44.1%です。

 

辞める人に残ってもらう。
よそで育った人に来てもらう。

 

20年、これで凌いできました。

 

育てる仕組みを作らなくても
連れてくれば間に合ったからです。

 

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私も教える技術を教わっていません

私自身がそうでした。

 

最初の仕事はC言語のプログラマーです。
教えてくれる人はいません。

 

本と、エラーメッセージと
動かない画面。
それだけで覚えました。

 

 

SEになったときも同じです。
Webディレクターも同じでした。

 

先輩に同行して言われたことをやる。
できるようになる。
そのうち自分が指示を出す側になる。

 

製造業のOJTと同じやり方です。
業種が違っても伝え方の型は
まったく同じでした。

 

そして私は教える技術を一度も
教わらないまま教える側になりました。

 

教え方のお手本が自分の体験しか
ありませんでした。
自分が教わっていないからです。

 

同行させて
指示して
やらせる。

 

それしか知らなかったんです。

 

だから自分で学びました。

 

ほめ育も心理的安全性も
指示ゼロ経営もTOCも
私にとってはすべて人の育て方です。

 

ただ、学べばうまくいくわけでは
ありませんでした。

 

昔、ほめ育のセミナーを一人で受けました。
これは今の自社に要ると感じて
当時の社長に直談判しました。

 

幹部研修として10ヶ月のスケジュールで
始まりました。

 

途中から幹部の方々が変わりはじめました。
部下の成長を見つけようという目が
確かに養われていました。

 

最終回の日です。
受講した幹部が全員そろっている場で
その社長がこう言いました。

 

「俺には無理やわ」

 

半笑いでした。
講師の先生もその場にいました。

 

悔しかった。
10ヶ月があの一言で終わりました。

 

あの一言を聞いた幹部は
もう本気になれません。

 

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同じ光景がAIで起きています

いま多くの会社で起きていることは
冒頭の数字のとおりです。

 

社としては導入していない。
禁止もしていない。
若手が自分の判断で使っている。

 

そして社長が言うわけです。

 

会話

「俺はよう分からんから
若い子に任せてる」

半笑いでね。

 

これまでなら何とかなりました。
分かる人に来てもらえばよかったからです。

 

でもAIは事情が違います。

 

 

理由は2つあります。

 

ひとつは、外から来ていただいた方が
どれだけAIに詳しくても
その会社の仕事をご存じないことです。

 

AIをどう使うかは
自社の仕事をどう進めているかと
切り離せません。

 

現場を知らない方に
そこまでは教えようがないんです。

 

もうひとつは変化の速さです。
半年経てば中身が変わります。

 

一度教われば済む種類の話では
ありません。

 

技能伝承なら
ベテランに残っていただくことで
つないでこられました。

 

でもAIについては
自社の中で育てるしかありません。

 

帝国データバンクが2026年3月に
調査を行っています。

 

生成AIを使って「若手が育たなく
なった」と答えた企業は2.2%です。

 

まだ誰も気づいていません。

 

育つのに時間がかかるものは
気づいてから始めても間に合いません。

 

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明日できることをひとつだけ。

 

社員の誰かにAIをどう使っているか
聞いてみてください。

 

教える必要はまったくありません。
社長が中身を知っているかどうかで
若手の使い方は変わります。

 

そして「俺はよう分からんから」を
けっして言わないでください。

 

聞いた側は一生おぼえています。

 


同じ壁を感じている方、一度話しましょう。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。