先週末Prime Videoで
『ザ・エージェント』を観ました。
1996年の映画です。
主演はトム・クルーズ。
スポーツ選手の代理人が
大手を飛び出して独立する話です。
実在の敏腕エージェントが
モデルになっています。
私が期待したのは
ビジネスものとしての成功譚。
そして観終わった感想は
「面白くなかった」、でした。

主人公は最後までうじうじしています。
理想を掲げて会社を追い出され
金欠に焦り
見栄を張り
妻への態度も曖昧なまま。
2時間半かけて
彼はほとんど変わりませんでした。
なぜ面白くないと感じたのか。
公開当時の評価はどうだったのか。
気になって少し調べてみました。
数字を見て驚きました。
Rotten Tomatoesの批評家支持率は84%
観客スコアも79%です
世界の興行収入は約2億7千万ドル。
アカデミー賞は5部門にノミネートされ
助演男優賞を受賞しています。
これ、実は大ヒットした名作でした。
私の感想のほうが少数派です。
そして批評家が高く評価していたのは
主人公が最後まで
かっこよくならないところでした。
そこが新しいと絶賛されていたんです。
私が物足りないと感じた点が
そのまま評価の理由になっていました。
映画評論家は何百本も観てきた人です。
だから王道の展開には点が入りません。
またこれか、になる。
ひねりがあるか。
定石を外しているか。
論として新しいか。
そこに点を入れます。
一方で観客(わたし)は
2時間と自分のお金を出しています。
観たいのは爽快感。
この目線のズレに見覚えがありました。
経営コンサルと呼ばれる人たちの提案も
評価するところが同じなんです。
分析が鋭いか。
筋が通っているか。
他社がやっていない切り口か。
でも中小企業の社長が知りたいのは

です。
そう考えてヒヤッとしました。
私も「コンサル」と呼ばれる側だからです。
つい先日
ある会社でヒアリングをしました。
話を聞いていくうちに
仕事が社長一人に集まっていることが
はっきり見えてきました。
判断も
段取りも
外との交渉も
最後は社長のところへ戻ってきます。
社長の手を空けるための
ヒアリングでした。
ところが提案をまとめながら
私は別のことが気になっていました。

この改善、
たぶん社長がやることになる。
そうなれば
社長の寝る時間がさらに削られます。
手を空けるはずが逆に増える。
だから私はこう言いました。

「全社プロジェクトにしましょう。
社員から担当者を決めてください」
社員が自分ごとにしないかぎり
この手の取り組みは続きません。
これは私の経験則です。
いい提案を出すことと
その提案が動き出すことは
まったく別の仕事です。
社長が困っているのは
問題を言い当ててもらえないこと
ではありません。
言い当てられた後
誰がそれをやるのかです。
社員は今日の仕事で手一杯です。
社長自身も現場に入っています。
正しい分析を置いていかれても
翌日から何も変わりません。
診断書だけ渡されて
治療は自分でやってください
と言われるようなものです。

「言うてることは正しいんやけどな」
中小企業に必要なのは
評論できる人ではありません。
一緒に汗をかける人です。
経営コンサルタントです、と名乗れば
自己紹介は一瞬で終わります。
便利な言葉です。
でも私はその言葉に
どうしても座りの悪さを感じます。
外から眺めて論評する人ではなく
社長と同じ方向を向いて
同じものを見て
一緒に手を動かす人でいたい。
うまくいかなければ一緒に直す。
現場が使わなければ使える形に変える。
そこまでやって初めて仕事だと考えています。
伴走者でいたいんです。
次に誰かの提案を聞くとき
ひとつだけ聞いてみてください。
「これ、明日は誰がやりますか」
その答えが社長ご自身になるなら
その提案はまだ半分です。
言い当てるだけで終わらせず、
動き出すところまで一緒にやります。
同じ方向を向いて話せる相手
を探している方、
一度お話ししましょう。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
|
| 支援内容 |
DX推進・IT活用の相談・伴走支援 組織づくり・人材育成の仕組み化 |
|---|---|
| 活動拠点 | 奈良県 |
| 営業時間 | 平日9時~18時 |
| 定休日 | 土日祝 |