今日は愛車のメンテナンスで
トヨタの販売店にいってきました。

そしてトイレに行こうとして
少し戸惑いました。

<ちょっと戸惑っている私>
戸惑ったのは、3つ並んだ個室が
全部オールジェンダーフリーだったこと。
男性用も女性用もありません。
つまりどの個室に入ってもいいということ。
一瞬、足が止まりました。

どれでもいい、はずなのに。
オールジェンダーフリーに戸惑うのは
私だけなのかもしれない。
そう思って少し調べてみたところ
去年の大阪関西万博でも
オールジェンダートイレが
大きな話題になっていました。
報道各社が利用者の声を拾っています。
という好意的な声がある一方で
という戸惑いの声もあります。
トランスジェンダーの当事者からは
という安心の声もありました。
出典:
読売新聞オンライン「万博トイレ4割『オールジェンダー』、性的少数者に配慮」
朝日新聞「万博会場に『オールジェンダートイレ』本当に誰もが使いやすいのか」
賛否は分かれています。
これは、良い悪いの話ではありません。
100%誰もが迷わない設計って、めっちゃ難しいから。
ただ、私がここで引っかかったのは別のことでした。
私が引っかかったのは
「なぜトヨタはオールジェンダーフリーのトイレにしたのか」
トヨタという日本を代表する企業が
オールジェンダーフリートイレが
必要だと判断し、全社に展開したということ。
だから私の目の前にこのトイレがありました。

そして私は、一瞬戸惑いました。
でもこの戸惑いこそ
トヨタの姿勢を私という一顧客に伝えるには
十分だったのです。
ショールームはその会社の姿勢を
見せる場所でもあります。

だから、トヨタのトイレはこれでいい。
迷った私が言うのも何ですが筋は通っています。
ここまで書いて、昔のことを思い出しました。
トヨタは、戸惑わせてでも姿勢を示しました。
私が前の会社で味わったのは、その逆。
つまり会社の姿勢が見えずに戸惑ったこと。
前の職場でも採用活動に関わっていました。
一次評価の段階で
「この人、いいと思います」
と報告します。
私の役目はふるいにかけることです。
最終的に採るかどうかは上の人が決めます。
・・・のはずでした。
ところが、報告するとこう返ってくるのです。

「村上さんがいいなら、いいよ」

・・・マジか
一見、信頼されているようで
ありがたい言葉に聞こえます。
でも、ここで考えてほしいのです。
面接で私が判断できるのは
私が知る範囲のことだけ。
その人が日々の業務に合うかどうか。
そこを判断できる立場に私はいません。
現場で一緒に働くのは私ではないからです。
困るのは採用した人が
早くに辞めてしまったとき。


この一言が来る気がするのです。
現場を知らない人間に決めさせて
結果の責任も押し付けられているように感じる。
上の人間が考えているよりも
重い責任を採用担当者は抱えてしまう。
この重さのかたよりが人を動けなくします。
うまくいっている間は誰も気にしません。
誰が決めたかなんて、どうでもいいからです。
問題は、何かあったときです。
「誰があいつを選んだ」
これは会社のホームページや
チラシのデザインを決めるときも
まったく同じでした。
誤解のないように書いておきます。
担当者は任されること自体が
嫌なわけではありません。

任されたい。

自分で動きたい。
嫌なのは責任だけを押しつけられることです。
今の会社ではIT関係のことは社長が
ほぼ私に任せてくれています。
そして私は安心して動けています。
入社したときから今まで、

それを、ずっと感じてこられました。
信頼されていると感じられるから
何かあっても大丈夫だと思えます。
だから、安心して判断できます。
思い切って動けます。

会社の目指すものを理解している。
だから自信をもって仕事ができる。
その上での「任せる」「任される」なのです。
同じ「任せる」でも、
会社の方向性を理解しているかどうかで
任された方の感じ方は正反対になります。
丸投げは、会社の目指すものを放棄します。
委任は、会社の目指すものを共有しています。
渡す言葉は似ていても中身は正反対なのです。
ここに落とし穴があります。
部下を尊重する社長ほど
「君の好きにしていい」「どれでもいいよ」と言います。
社長自身はやさしさのつもりです。
でも受け取る側の社員は
選択肢と一緒に責任だけを渡されている
と感じていませんか?
トヨタのトイレの「どれでもいい」は
会社が決めた上での、どれでもいい。
前職社長の「どれでもいい」は
決めることを放棄した、どれでもいい。
言葉は、そっくりです。
中身は、正反対です。
経営者がすべきことは
全部を細かく決めることではありません。
今、会社がどっちに向かうのか。
その方向を指すことです。
途中で変わっていい。
最初から正解でなくていい。
今の時点で「こっちだ」と指させるかどうか。
方向がはっきりしているから
社員は不安にならずに済みます。
迷わず、目的に向かって進んでいけます。
方向を示すというのは
かっこいい戦略の話ではありません。
社員が安心して邁進できる環境を
つくることなのです。
あなたの会社の誰かが今
「君がいいならいいよ」と言われて
決める権利のないまま
責任だけを背負わされて
動けずにいないでしょうか。
もし心当たりがあるなら
一度、現状を整理してみませんか。
どこで流れが止まっているのか。
一緒に見つけるところから始めます。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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