今日の午前中、
10時半から11時ごろにかけて
社内の複数のメンバーから
立て続けに連絡がありました。


一人なら、その人のPCや
設定を確認します。
二人、三人と続くと、

と気が付きます。
そしてXを確認すると案の定
kintoneの障害情報が流れていました。
公式サイトを見ると、やはり障害発生。
その後、昼過ぎには復旧しました。
クラウドサービスを使っていると
こういうことがあります。
そしてこういう話を書くと

と思う人もいるかもしれません。
でも私は、そうは思いません。
昔は会社の中にサーバを置いたり
それぞれのPCにソフトを
インストールしたりするのが当たり前でした。
いわゆるオンプレミスです。
もちろんこれにも
良いところがあります。
例えば一台のPCが壊れても
基本的にはその一台の問題です。
全員が一斉に使えなくなる可能性は
クラウドより低いかもしれません。
ただし。
壊れたら自分たちで
何とかしないといけません。
原因は何だ。
ハードディスクか。
ネットワークか。
Windowsか。
設定か。
アップデートか。
昨日まで動いてたやん。
誰が触ったんや。
……という世界です。
原因を調べて
対策を考えて
直して動作確認する。
ひとり情シスにとっては
なかなか楽しい……
いや、胃が痛い時間です。
一方、クラウドサービスでは
サーバやネットワーク、各種設定の
多くが自社の外にあります。
だから障害が起きても
こちらでできることは
あまりありません。
今回も
「kintoneが動かない!」
と言われても
私がサーバ室に走っていって
再起動するわけにはいきません。
そもそもkintoneのサーバが
どこにあるのかも知りませんしね。
できるのは
「自社だけの問題か」
「サービス側の問題か」
を確認すること。
そしてサービス側の問題なら
「ああ、これは待つしかないな」
と判断することです。
ある意味、あきらめです。
でも私はこの「あきらめ」は
悪いものではないと思っています。
クラウド障害が起きると
自社だけではなく他社でも
同じことが起きます。
利用者としては困ります。
業務も止まります。
決して
「みんな止まってるから問題ない」
という話ではありません。
ただ、昔ローカルで
Windowsプログラムを
作っていた頃を思い出すと
ずいぶん世界が変わったなと思います。
昔なら
「この会社の、このPCの、
この環境だけ動かない」
という問題を延々と追いかけていました。
今は
「全国的に止まってます」
ということが割とある。
不便なのですが
原因の所在はずいぶん
分かりやすくなりました。
少し乱暴に言えば
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
ではなく
「赤信号なら、まず信号機の復旧を待とう」
という感じでしょうか。
渡ったらダメですよ。
もちろん、クラウドなら
何でも安心という話ではありません。
障害は起きます。
インターネットにつながらなければ
使えないものもあります。
サービス提供会社の都合で
仕様が変わることもあります。
自分たちでは復旧できない
という弱点もあります。
だからこそ、
「クラウドだから安心」
でもなければ、
「障害が起きたからクラウドはダメ」
でもありません。
大事なのはその特徴を
理解したうえで使うことです。
どこまで自社で持つのか。
どこから外に任せるのか。
止まったとき、どう業務を続けるのか。
そこまで含めて
仕組みを考える必要があります。
ITの仕事を長くしていると
「自分で何とかできること」
に安心感を持ちます。
でも、何でも自分で抱えることが
本当に良いことなのか。
クラウドを使うということは
「自分で直せる範囲を減らす」
代わりに
「自分で面倒を見る範囲も減らす」
という選択でもあります。
今回の障害では
一時的に仕事が止まりました。
正直困りました。
でも
「まあ、これはこっちで直す話じゃないな」
と判断できた。
ひとり情シスとしては
この“いい意味でのあきらめ”も
案外大事なのかもしれません。
ひとり情シスがいる会社は
まだ恵まれています。
情シスがいない中小企業は
たくさんあります。
パソコンが動かない。
ネットがつながらない。
プリンタが出てこない。
その相談が最後にたどり着く先は
たいてい社長です。
本業のかたわらで原因を探して
業者に電話して
現場に「もう少し待ってくれ」と伝える。
それで社長の半日が消えます。
この状態で
「自社で持つほうが安心」
と言えるでしょうか。
私はそうは思いません。
直せる人が社内にいないなら
直せる場所を外に持つほうが現実的です。
クラウドを使うのは、逃げではありません。
社長が本業に戻るための選択です。
今回私がやったことは3つでした。
自社だけの問題かを確かめる。
サービス側の障害だと確認する。
復旧を待つと決める。
技術の話はひとつもありません。
どれも判断です。
これを決められる人が
社内にいなかったらどうなるか。
「まだ直らんのか」
「誰に聞いたらええんや」
という声が現場に聞こえ始めます。
止まっているのはシステムです。
決まっていないのは
誰が待つと言えるかのほうです。
社長が先に決めておくのはひとつ。
止まったときに
「これは待つ」
と言えるかどうか。
それが決まっていれば
現場は動けます。
待つかどうかの判断に自信のない方
一度お話しましょう。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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