高校野球の7イニング制が
議論されています。
私は野球に興味がありません。
高校野球も全く見ません。
だからこの議論のことも
つい最近まで知りませんでした。
下手をすると数年後に
7回制が導入されました、と
聞いてから驚く側です。
興味がないので
どうでもいいと言えば
どうでもいい話です。
ただ、もし自分の子どもが
当事者だったらと考えると
少し様子が変わります。
下位打線だったら
打席に立つ機会は減るのか。
控えの投手は
出番がなくなるのか。
そして何より
本人の健康はどうなのか。
本人はどう思っているのか。
そこは尊重してあげたい。
そう考えたなら
私は議論の根拠を調べ
自分なりの意見を持って
その行く末を見守るはずです。
180度変わります。
私の高校野球への無関心は
単に関わりがなかっただけです。
人は自分と関わりがなければ
どこまでも無関心です。
身の回りに影響があると
思えた瞬間に態度が変わる。
そういえば私は
高校でバレーボール部でした。
卒業して何年も経ってから
テレビでバレーの試合を見て
面食らったことがあります。
一人だけ
色の違うユニフォームの選手が
コートを走り回っている。
リベロ制でした。
守備専門のポジションです。
私が高校でバレー部にいた頃には
まったくありませんでした。
得点の数え方も
変わっていました。
サーブ権を持っている側しか
点が入らなかったはずが
ラリーに勝てば点が入る。
自分がやっていた競技です。
それでも私は
変わったことを
知りませんでした。
離れていたからです。
経験者でも
関わりが切れれば
そこで情報は止まります。
日本高野連の検討会議が
2025年12月に
最終報告書をまとめています。
まず事実関係を正確に。
7イニング制は
まだ決まっていません。
報告書は
全ての公式戦での採用を
2028年の第100回記念選抜と
各都道府県の春季大会から
とすることが望ましい
と提言しました。
これを受けて日本高野連は
今後、理事会で是非について
継続して議論していく
と発表しています。
提言であって
決定ではありません。
そのうえで
報告書の総括には
こう書かれています。
伝わっていない。
当事者が自分でそう書いています。
数字も見ておきます。
日本高野連の硬式加盟校は
2025年5月末現在で3,768校。
このうちアンケートに回答した
加盟校は2,643校でした。
日刊スポーツの報道によると
回答の内訳は
反対が70.1%、
賛成が20.8%です。
そして2028年までに
加盟校や高校野球ファンに対して
採用する意図や有効性について
説明を尽くし
広く周知することを求める。
反対の声がある中で
それでも進めようとするなら
これ以外に道はありません。
姿勢としては正しい。
ただ私は
広く周知という言葉に
引っかかりました。
広くやると
薄まるからです。
現に私は知りませんでした。
私に届かなくても
私は困りません。
届けるべき相手は
その舞台を目指して
いま野球漬けの毎日を
送っている高校生。
かつて同じ道を通り
いまも選手やチームを
応援している大人たち。
その横で指導してきた人たち。
この人たちに届かなければ
何回発信しても
周知したことになりません。
会社で情報を届けるときも
順番があります。
一つ、届けたい相手は誰か。
二つ、なぜその人に届けたいのか。
三つ、どうすれば届くか。
多くの会社が
三つ目から始めます。
どう言えば伝わるか。
どのツールを使えば読まれるか。
届けたい相手と
なぜかを飛ばしているので
どうすれば届くかがはっきり見えません。
届けたい相手を決めるときの
問いはこれです。
その変更で一番影響を受けるのは誰か。
一番長く、いまのやり方で
成果を出してきたのは誰か。
なぜその人に届けたいのかは
もっと厳しい問いになります。
納得してほしいのか。
反対をやめてほしいのか。
それとも
判断材料を持ったうえで
反対してほしいのか。
ここを言葉にできないまま
三つ目に進むと
どんな伝え方を選んでも
手応えがありません。
私はこれまでこのブログで
伝えるためには回数を増やすこと
接点を増やすことを
繰り返し書いてきました。
その考えはいまも変えません。
一度で伝わる情報は
ほとんどないからです。
ただし回数そのものに
力があるわけではありません。
相手が決まっていると
その人の持ち場に合わせて
言う場面を選べます。
朝礼で言うのか。
現場に行って言うのか。
一対一で聞くのか。
中身も変えられます。
一度目で伝わらなかったなら
二度目は違う角度から言える。
変えられるから
当たる確率が上がります。
伝えるべき人を
決めないまま
何度発信しても
発信する側のやった感が
増えていくだけです。
そしてやった感は
届いた証拠になりません。
やった感は
社長にもあります。
むしろ社長ほど
やった感を持ちやすい。
年頭に方針を話した。
全体朝礼で伝えた。
経営計画にも書いてある。
ここまでやれば
伝えたことになる。
そう思うのは自然です。
ただ、これまで
何人もの社長の横で
見てきたことがあります。
社長の言葉は
本人が思っているよりも
はるかに伝わっていません。
驚くほど伝わっていません。
伝えたつもりでいる。
社員は聞いたつもりでいる。
どちらも嘘をついていません。
それでも届いていない。
社長の言葉は
社内で一番強い言葉です。
その一番強い言葉でさえ
宛先を決めずに放てば
薄まります。
だから私は
届けたい相手の顔を
思い浮かべてから口を開きます。
それが私の考える周知です。
同じ話を何度もしているのに、
届いていない相手がいる。
その顔が浮かんだ方と、
一度お会いしたいです。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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DX推進・IT活用の相談・伴走支援 組織づくり・人材育成の仕組み化 |
|---|---|
| 活動拠点 | 奈良県 |
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