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中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

『どえらい大学。』ICU回で気づいた——会議の「なぜ?」が空中戦を生んでいた

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先日NHKのEテレ『どえらい大学。』で
ICU(国際基督教大学)が
取り上げられていました。

 

 

驚いたのは
その徹底ぶりです。

 

一般教養から専門科目。
体育系の専攻や部活動。
果ては寮生活に至るまで。

 

すべてが「対話」を中心に
設計されていました。

 

 

教員が一方的に
話すのではありません。
学生同士が問いを立て考え言葉にする。

 

それが大学生活のあらゆる
場面に組み込まれていた。

 

学生たちの対話を見てふと思いました。

私たちが職場の会議でやっていること。
あれは「対話」でしょうか?

 

※NHKプラスで
6月6日(金) 20:59まで
見逃し配信中です。
NHKプラスで視聴する

 

 


討論と対話は全く違う

討論は意見をぶつけ合うこと。
ディベートは勝敗を決めること。

 

どちらも相手の弱点を突き
自分の論拠を補強し
相手より優位に立つことを目指します。

 

対話の目的は違います。

「何が本当に問題なのか」を
一緒に探すことです。

 

途中で自分の考えが変わったとしても
それは負けではありません。
むしろ歓迎されます。

 

テレビの討論番組を見ていて
違和感を感じることは
ありませんか。

 

相手の発言を遮る。
レッテルを貼る。
揚げ足を取る。

 

あれは討論以前の話です。
誰も相手から
学ぼうとしていない。

 

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「なぜなぜ分析」に目から鱗が落ちた

製造業の現場にいる方なら
「なぜなぜ分析」を
知らない人はいないでしょう。

 

トヨタ生産方式に由来する
「なぜ?」を5回繰り返して
真因を突き止める手法です。

 

私も長年
なぜなぜ分析が問題解決の王道だと
思ってきました。

 

ところが最近読んだ一冊が
その常識を揺さぶりました。

 

 

中田豊一 著
『「良い質問」を40年磨き続けた
対話のプロがたどり着いた
「なぜ」と聞かない質問術』
(ダイヤモンド社 2025年)

 

著者は国際協力の現場で
40年以上にわたり
文化も言語も異なる人々と
対話してきた方です。

 

その経験から体系化された核心は
驚くほどシンプルでした。

 

「なぜ?」と聞くな。
「いつ?」と聞け。

 

「なぜ?」と問われた瞬間
人は事実ではなく
「解釈」や「言い訳」を
返してしまいます。

 

著者はこれを
「空中戦」と呼んでいます。

 

解釈と解釈がぶつかり合い
事実からどんどん遠ざかってしまう。

 

代わりに
「いつ?」「どこで?」
「誰が?」「何を?」と
事実だけを聞く。

 

これが「事実質問」であり
「地上戦」に持ち込む技術だと
著者は言います。

 

 

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なぜなぜ分析が機能する前提条件

ここが私にとって一番の発見でした。

 

この書籍はなぜなぜ分析を
頭ごなしに否定していません。

 

著者の主張はこうです。

 

なぜなぜ分析が有効に機能するには
信頼関係があり全員が
課題を中心に分析するという
共通目的を持っている必要がある。

 

これはかなり高度な
前提条件です。

 

日頃なぜなぜ分析を使っている方なら
心当たりがあるのではないでしょうか。

 

信頼関係のある改善チームで使えば
真因に近づけます。

 

でも上司が部下に

会話
なぜ遅刻したの?
会話
なぜミスをしたの?

と問い詰めたらどうか。

 

返ってくるのは
事実ではなく自己防衛です。

 

ラポール(信頼関係)ができていない状態で
「なぜ?」を投げると
相手はご機嫌取りの答えを返してしまう。

 

親しい間柄であっても
先入観ベースの意見で
空中戦になることがある。

 

これは「なぜ?」という問いが持つ
構造的な問題なのです。


 

私にも覚えがあります。

 

前職で経営企画室長として
経営会議に出ていた頃
よく飛び交っていたのが

 

なんでできなかったの?
その理由は?

という言葉でした。

 

答える側は当然理由を述べます。
でもそれは言い訳にしか聞こえない。

 

聞く側も答える側も
うすうすわかっている。

 

でも当時は
「なぜ?」と聞かれたら
「理由を答える」のが
当たり前だと思っていました。

 

今思えば
「いつ」「誰が」「何を」
という事実ベースの対話を
先にすればよかった。

 

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事実を積み上げると問題の正体が変わる

たとえばこんな場面を
想像してみてください。

 

社長が言います。

会話

最近の若い社員は責任感がない。

ここで

IT参謀会話

なぜそう思うんですか?

と聞くと
社長は自分の解釈を
補強する方向に進みます。

会話

昔は言われなくてもやったもんだ

会話

ゆとり世代だから

という、事実ではなく
持論の強化が始まります。

 

代わりに

IT参謀会話

いつ、どんなことがありました?

と聞いてみる。

すると

会話

先週納期遅れがあったんだよね…

という事実が出てきます。

IT参謀会話

その時何が起きていましたか?

と続けると
「報告が無かった」ことが
本当の問題だとわかる。

 

さらに

IT参謀会話
報告はいつから無くなりましたか?

と掘ると社長自身が気づきます。

会話

怒られると思ったんじゃないかな…

いつの間にか
「若者の責任感」の話が
「組織の心理的安全性」の話に
変わっています。

 

これが対話です。
そして「なぜ」を封印したからこそ
たどり着けた場所です。


 

私自身、客先の幹部研修で
似た場面に出会っています。

 

「みんなこうしている」
「業界では当たり前」
という言葉がよく飛び出します。

 

でも

IT参謀会話
みんなって誰ですか?
IT参謀会話
業界って具体的には何社のことを知っていますか?

と聞くと
途端にトーンダウンする。

 

かなりの部分
イメージで発言していた
ということがよくわかります。

 

事実を確認する問いはそれだけで
対話の質を変えるのです。

 

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対話は技術だから訓練がいる

冒頭のNHKの番組を見返して思うのです。

 

ICUが大学全体で設計していたのは
「対話を文化にする仕組み」だったのだと。

 

授業だけでなく寮でも部活でも
対話が組み込まれている。

 

 

 

それは対話が
訓練しないと身につかない技術だからです。

 

中小企業の現場でも
同じことが言えます。

 

次の会議で
「なぜ?」と言いたくなったその瞬間に
一度だけ置き換えてみてください。

 

「いつそれが起きましたか?」

 

たぶん見える景色が変わります。

 

参考書籍:
中田豊一 著
『「良い質問」を40年磨き続けた
対話のプロがたどり着いた
「なぜ」と聞かない質問術』
ダイヤモンド社 2025年3月刊


具体的な進め方が気になる方は
こちらへ。

 

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現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。