
部門ごとの数字は
どこも達成している。
なのに会社全体では
なぜか利益が薄い。
そんな相談を
受けることがあります。
製造は稼働率を上げた。
営業は受注を伸ばした。
どの部署も
自分の持ち場で勝っている。
なのに
全体で見ると噛み合わない。
社長は言います。

それは間違いない。
そうなんです。

誰も間違っていない。
だから厄介なんです。
目次
1. 全員が正しくて、全体が痩せる
2. 見る範囲を変えると、正解が裏返る
3. ここで少し違う話をします
4. 見ていた範囲が、狭かった
5. どこまでを一つの流れとして見るか
6. あなたはどこを見ているか
先日ある研修に参加しました。
2チームに分かれて
じゃんけんゲームをやりました。
前提はひとつだけ。
お互いグーを出し続ける。
そういう約束でした。
ただしルール上は
チョキもパーも出せます。
勝ち負けで点数が動き
最後に点数が多い方が勝ち。
ゲームの目的は
はっきり書かれていました。
「勝つこと」
私のチームは
最終ターンで約束を破りました。
グーを出すと思わせて
パーを出した。
結果は快勝です
相手は最後まで
約束を守っていました。
目的は「勝つこと」。
ルールは破っていない。
私たちは
何も間違っていません。
でも
手放しでは喜べませんでした。
勝ったのに
すっきりしない。
その理由は
この後の講師の一言で
はっきりしました。
講師は
どちらが勝ったかには
触れませんでした。
代わりに
こう聞いてきたんです。

勝った後味はどうですか?
言葉に詰まりました。
そして講師は
種明かしをします。
両チームが約束を守り
最後まであいこで終わると
2チーム合計の得点が
一番多くなる設計だったんです。
勝ちにこだわると
自社の点は積み上がる。
でも相手の点は削られる。
全体の総量は減る。
自社という枠で見れば
私たちは勝者です。
でも取引先も含めた全体で見れば
私たちは
みんなの取り分を
減らしていました。
講師は
どちらがいいとは
言いませんでした。
勝ちにいくのが悪い
とも言わない。
約束を守るべきだ
とも言わない。
優劣をつけない。
だからこそ
問いは
自分の中に残りました。

自社だけが勝って
それだけでいいのだろうか。
同じ行動が
見る範囲を変えただけで
英雄にも
全体を縮めた側にもなる。
負けたチームは
なぜか清々しそうでした。
彼らはもっと広い視点に
立っていたんだと思います。
このゲームを振り返っていて
前職のことを思い出しました。
多くの製造業では
改善活動に力を入れます。
私の前職もそうでした。
積極的にQC大会に参加し
他社との改善グループで
お互いの改善点を
指摘し合ったこともあります。
工具の置き方。
掃除の仕方。
数えきれない改善が
次々に進みました。
現場は確かに
よくなっていきました。
でも
売上につながったのかといえば
首をひねる部分がありました。

なぜ首をひねったのか。
いま振り返ると
はっきりします。
私たちが見ていたのは
現場の中だけでした。
工具の置き場が整った。
掃除の手順が決まった。
その中では
確かに前進しています。
でも
その改善が
売上まで届いているか。
そこまでは
見ていませんでした。
あのじゃんけんと
同じです。
自社の中だけで見れば
私たちは勝った。
でも取引先も含めた全体で見れば
みんなの取り分を
減らしていた。
現場の中だけで見れば
改善は進んだ。
でも売上まで含めて見れば
何が変わったのか
見えていなかった。

どちらも私たちの見ていた範囲は
狭かったんです。
見ている範囲が変わると
何が正しいかも
変わります。
自分の工程だけで見るのか。
自分の部署だけで見るのか。
会社全体で見るのか。
取引先まで含めて見るのか。
範囲が変われば
どこで流れが止まっているかも
何をすべきかも
変わってしまいます。
冒頭の社長の悩みも
これでした。
製造は稼働率を上げた。
営業は受注を伸ばした。
どの部署も
自分の中では勝っている。
それぞれが
自分の範囲だけを見て
成果を出している。
でも会社全体で見ると
利益が薄い。

部署ごとの成果と
会社全体の利益が
つながっていなかったんです。
私はあのゲームで
自社の中だけを見て
勝ちました。
前職では
現場の中だけを見て
改善を重ねました。
どちらも
その中では正しい。
でも
会社全体で見たとき
胸を張れるかというと
言葉に詰まります。
これは
たかがゲームでも
たかが昔話でもありません。
自分の部署の成果を
追いかけるほど
会社全体では
かえって良くなっていない。
そんなことが
起きていないでしょうか。
それぞれの頑張りが
会社全体の利益に
つながっているか。

一度、自分の部署だけでなく
会社全体で見直してみませんか。
その利益の薄さ
どこで流れが止まっているのか。
まず現状を整理したい方
お気軽にどうぞ。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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DX推進・IT活用の相談・伴走支援 組織づくり・人材育成の仕組み化 |
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