なんか、うまくいってない」の正体|
会社の詰まりと可能性を見つけるブログ

「俺は悪くない」で会社は良くなるのか? 映画『俺ではない炎上』を観て考えたこと

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シルバーウィークも終盤、
阿部寛さん主演の映画
『俺ではない炎上』を観ました。

 

 

正直に言うと、観終わった後も
すっきりしない部分がいくつも残りました。

 

殺人事件と主人公を取り巻く
出来事のつながり、
SNSアカウントの使われ方、
ネット上で犯人が特定されていく過程。

 

そして登場人物たちの行動や心理にも
どうにも共感しにくいところがありました。

 

ただ、そんな映画の中で
妙に心に残ったことがあります。

 

それは登場人物たちが口々に訴える
「自分は悪くない」という言葉です。

 

しかも単に責任逃れを
しているわけではありません。

 

自分は正しいことをしていると
本気で信じているように見えるのです。

 

観ているこちらからすれば
「どうしてそんなふうに考えられるのだろう」
と思う場面もあります。

 

でも、ふと考えました。

 

これは映画の中だけの話だろうか。

会社の中でも同じようなことが
起きていないだろうか、と。

 

みんな正しいのに、なぜ会社は良くならないのか

例えば、ある製造業の会社で
納期遅延が続いているとします。

 

営業担当者はお客様の要望に応えようと
急ぎの注文を引き受けます。

 

お客様との信頼関係を守り
売上を確保するためです。

 

製造現場では
生産効率を上げようと
同じ作業をまとめて行います。

 

段取り替えを減らし
限られた時間で少しでも
多くの製品を作るためです。

 

社長は売上を増やしながら
経費を抑えるよう指示します。

 

会社を存続させ
社員の雇用を守るためです。

 

それぞれに理由があります。

誰も会社を悪くしようと
しているわけではありません。

 

ところが、営業が引き受けた
急ぎの注文によって生産計画が変更され
製造現場では段取り替えが増えます。

 

一方効率を優先して
まとめて作った製品は
次の工程で処理しきれずに
滞留してしまいます。

 

結果として納期遅延は解消せず
現場の残業ばかりが増えていく。

 

そんなことが起きていたとしたら
誰が悪いのでしょうか。

 

営業でしょうか。
製造でしょうか。
それとも社長でしょうか。

 

 

おそらくそれぞれに話を聞けば
自分の判断が正しい理由を
説明してくれるでしょう。

 

そしてその説明には
納得できる部分もあるはずです。

 

それなのに会社全体では
望ましくない結果になっている。

 

ここに、会社を良くするための
大切なヒントがあると思っています。

 

あなたの正しさは、どこまで見えていますか?

仕事をしていると
どうしても自分の担当範囲から
物事を見るようになります。

 

営業には営業の目標があり、
製造には製造の目標があります。

 

社長にも、
経営者として果たさなければならない
責任があります。

 

それぞれが自分の仕事に
真剣に取り組んでいるからこそ
自分の判断には根拠があり
簡単には譲れないものです。

 

ただ、一つ考えてみてほしいのです。

 

自分の目の前では正しい判断でも
その前後の仕事までつなげてみたら
どうでしょうか。

 

営業が受注した仕事は
製造現場に渡ります。

 

製造現場の仕事は
次の工程へと渡ります。

 

そして、製品がお客様の手元に届いて
ようやく会社としての仕事が完了します。

 

その途中で誰かの正しい判断が
別の誰かの仕事を難しくしているかもしれません。

 

自分の部署の効率を上げた結果
ほかの部署に仕事が
積み上がっているかもしれません。

 

自分の目標を達成した結果
会社全体では利益を
減らしているかもしれません。

 

つまり、自分の仕事だけを
見ていると正しくても
仕事全体をつなげてみると
必ずしも正しいとは限らないのです。

 

「誰が正しいか」より「何のためにやっているか」

ここで少し考え方を変えてみましょう。

 

営業と製造、
どちらの主張が正しいのかを議論する前に
そもそも何のために仕事をしているのか
を確認するのです。

 

会社としてお客様に約束した納期を守り
必要な品質の製品を届け、利益を確保する。

 

そしてその成果によって会社を存続させ
社員が安心して働きがいを持って
仕事ができる環境をつくる。

 

そうした目的を共有したうえで
今の仕事の進め方を見直してみます。

 

すると、営業の受注方法を変えた方がいいのか
製造の順番を変えた方がいいのか
あるいは別の工程に問題があるのか
考えるべきことが変わってきます。

 

大切なのは、最初から誰かの主張を
否定することではありません。

 

それぞれの判断が
会社の目的に向かって仕事を進める
助けになっているかどうかを確かめることです。

 

正しさを競うのではなく
目的に照らして考える。

 

そうすることで立場の異なる人たちが
同じ問題に向き合えるように
なるのではないでしょうか。

 

社員に「もっと全体を見ろ」と言う前に

ただし、ここには経営者が
考えなければならないことがあります。

 

社員が自分の担当範囲だけを
見て仕事をしているとしても
それを社員個人の問題にしてはいけない。

 

例えば、営業担当者が
売上金額だけで評価されていたら
多少無理をしてでも
注文を取りたいと考えるでしょう。

 

製造現場が
生産数量や稼働率で評価されていたら
できるだけ機械を止めず
大量に作ろうとするでしょう。

 

それは会社が求めている成果を
出そうとする行動でもあります。

 

にもかかわらず社長が
「自分の部署のことばかり考えるな。
もっと会社全体を見ろ」
と言ったところで、社員は困ってしまいます。

 

会社が求めることと
会社全体の目的が
一致していないのですから。

 

もちろん社長自身も
会社を良くしようとして
その仕組みをつくってきたはずです。

 

だからこそこれまでのやり方を
否定するのではなく
今の会社に合った仕組みに
なっているかを見直す必要があります。

 

社員の意識を変えようとする前に
社員が何を基準に判断し
どんな成果を求められているのか。

 

そこに目を向けることが
経営者にできる大切な仕事だと思います。

 

会社を良くするなら、まず仕事の流れを見よう

私が会社の改善を考えるとき
大切にしているのは
仕事全体の流れを見ることです。

 

例えば、納期遅延が起きているなら
営業と製造のどちらが悪いのかを
議論する前に
実際の仕事を追いかけてみます。

 

お客様から注文を受けてから
製品が出荷されるまで。

 

どの工程で仕事が滞っているのか。
どこで待ち時間が発生しているのか。
何が原因で次の工程に進めなくなっているのか。

 

そうやって仕事の流れを確認すると
今まで問題だと思っていた場所とは
別の場所に原因が見つかることがあります。

 

例えば製造現場の作業スピードを上げても
その先の工程で処理できる量が
変わらなければ
仕掛品が増えるだけかもしれません。

 

営業が受注を増やしても
すでに仕事が集中している工程に
さらに負担をかけるだけかもしれません。

 

会社全体の成果を左右している
ところがどこなのか。

 

そこを見極めてから
改善することが重要です。

 

そしてそのためには
社長も社員も自分の担当範囲から少し離れて
仕事が前後でどうつながっているのかを
知る必要があります。

 

これは誰かに自分の正しさを
捨ててもらうという話ではありません。

 

それぞれが持っている
知識や経験を持ち寄って
会社全体にとってより良い
仕事の進め方を見つけていくということです。

 

「俺は悪くない」から「どうすれば良くなるか」へ

映画『俺ではない炎上』を観て
私が怖いと感じたのは
自分の正しさを疑わない人たちの姿でした。

 

自分にも正しいと思う理由がある。

相手にも正しいと思う理由がある。

 

しかしお互いが自分の正しさを
主張し続けているだけでは
問題は解決しません。

 

会社でも同じだと思います。

 

問題が起きたとき
「俺は悪くない」
「私の部署には問題がない」
と自分たちの正しさを証明することに
力を使っていたら
いつまでたっても仕事の進め方は変わりません。

 

それどころか責任を追及されることを恐れて
問題を報告しなくなったり
ほかの部署への協力をためらったり
するようになってしまうかもしれません。

 

そんな会社で社員が働きがいを
感じられるでしょうか。

 

私は、働きがいのある会社とは、
一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ちながら
会社全体の目的に向かって
互いに力を発揮できる会社だと考えています。

 

そのために必要なのは
全員が同じ考え方をすることではありません。

 

違う立場から物事を見ているからこそ
気づけることがあります。

 

それぞれの正しさを持ち寄ることで
初めて見えてくる問題もあります。

 

大事なのは誰の意見が正しいかを
決めることではなく
会社の目的に照らして
何をすべきかを一緒に考えることです。

 

もし今、あなたの会社で
営業と製造、社長と社員、
あるいは部署同士が
お互いの主張をぶつけ合っているのなら。

 

一度、その議論から離れてみませんか。

そして直近で納期が遅れた注文を一つ選び
お客様から注文を受けてから
出荷するまでの流れを
関係する社員と一緒にたどってみてください。

 

最初から誰の責任かを尋ねる必要はありません。

どこで仕事が止まっていたのか
なぜ止まっていたのかを
事実に基づいて確かめてみるのです。

 

「誰が正しいのか」ではなく
「どうすれば会社全体が良くなるのか」。

 

その問いに変えることが
働きがいのある会社をつくる第一歩になると
私は考えています。


中小製造業の経営者の方へ


「誰が悪いか」ではなく、
「どこで仕事が止まっているか」を
一緒に考えませんか?

社長も社員も頑張っているのに、
なぜか仕事がうまく回らない。

そんなときは、一人ひとりの努力ではなく、
仕事全体の流れに原因があるかもしれません。

現場と経営の両方を見てきた立場から、
会社の状況を整理するお手伝いをしています。


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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
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定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。