なんか、うまくいってない」の正体|
会社の詰まりと可能性を見つけるブログ

『フォードVSフェラーリ』を観てAIに渡していなかったものに気づいた

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映画『フォードVSフェラーリ』を観ました。

 

1960年代の話です。
大衆車メーカーとして成長してきたフォードが
ブランドイメージを変えたいと考えます。

 

若い世代にも選ばれる会社になりたい。
その象徴として掲げたのが
ル・マン24時間耐久レースで
フェラーリに勝つことでした。

 

これは経営側の判断です。

 

そこでフォードは
キャロル・シェルビーにレースカー開発を任せます。
シェルビーは
勝つためにはケン・マイルズという
ドライバーが必要だと考えました。

 

マイルズは卓越した腕を持っていました。
一方で扱いやすい人物ではありません。
フォードの経営陣の中には
彼を快く思わない人もいました。

 

経営陣と現場は
何度も衝突します。

 

それでも
「フェラーリに勝つ」
ここは一致していました。

 

違ったのは勝ち方です。

 

経営陣はフォードという会社が
どう見られるかを考えます。
現場はどうすれば一番速く走れるかを考えます。

 

どちらが正しいかという話ではありません。
経営と現場では見えている景色が違う。
それでも同じ方向を向くことはできる。

 


AIが作った申請書に、社長は一言「これはダメだ」

この映画を思い出したのは
先日の補助金申請に関する打ち合わせでした。

 

以前
補助金申請書をAIに作らせたことがあります。

 

財務諸表。
製品カタログ。
導入したい設備。
設備の金額。

 

そういった資料をAIに渡して
この内容で申請書を作ってと指示しました。
AIはそれらしい文章を作ってくれました。

 

けれど社長からは一言。

 

「これはダメだ」

 

結局その申請は見送りました。

 

当時は
AIへの指示が悪かったのかと思っていました。
でも今回の打ち合わせで気づきました。

 

問題はそこではなかった。
AIに渡す情報が足りなかったのです。

 

しかも足りなかったのは資料ではありません。
会社の未来でした。

 

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渡していなかったのは、資料ではなかった

財務諸表は
これまで会社がどうだったかを示す情報です。
製品カタログは
今何を売っているかを示す情報です。

 

導入したい設備と金額は
これから何を買いたいかという情報です。

 

どれも必要です。
でもそれだけでは事業計画になりません。

 

なぜその設備が必要なのか。
その設備を導入することで
事業をどう変えたいのか。

 

3年後、5年後
会社をどうしたいのか。
その未来の中で
今回の投資がどんな意味を持つのか。

 

そこが抜けていました。

 

今振り返ると
私はAIにこう頼んでいたようなものです。

 

「この車でル・マンに勝つ文章を書いて」

 

なぜル・マンで勝ちたいのか。
会社として何を実現したいのか。
そのために何を変えようとしているのか。

 

その背景をAIに渡していませんでした。
それでは
社長の考えているストーリーが
文章に出てこないのも当然です。

 

AIが間違っているわけではありません。
そもそも進む方向を教えていないのです。

 

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任せる前に渡すもの

これはAIに限った話ではありません。
社員に仕事を任せるときも同じです。

 

なぜやるのか。
どこへ向かうための仕事なのか。
何をもって成功とするのか。

 

それを渡さずに作業だけ頼めば
返ってくるのは
もっともらしい何かになります。

 

渡すべきものは背景です。
いわゆる文脈というやつです。
それを書き出して形にしたものの一つが
事業計画です。

 

ただし
事業計画を全員で共有すべきかどうかは
会社によって違います。
数字まで開く会社もあれば
開かない会社もあります。

 

そこは社長が決めることです。

 

共有すべきなのは計画書という書類ではありません。

 

なぜやるのか。
どこへ向かうのか。
何をもって成功とするのか。

 

そこが渡っていれば
どうやるかは
それぞれの専門性に任せられます。

 

経営者はどこへ向かうかを決める。
現場はそこへ行く方法を考える。
AIには文章作成や整理を任せる。

 

全員が同じ仕事をする必要はありません。
細かいやり方まで
全員で同じにする必要もありません。

 

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DXやAI活用でも、同じことが起きています

新しいツールを入れる。
AIを使う。
業務を効率化する。

 

それ自体が目的になってしまう。

 

でも本当に必要なのはその前です。

 

この会社をどうしたいのか。
どんな働き方をしたいのか。
お客様にどんな価値を届けたいのか。

 

そこが決まっていなければ
どれだけ便利なツールを入れても
部分的な改善で終わります。

 

フォードには
「フェラーリに勝つ」という目標がありました。
だからこそシェルビーは必要な車を作り
必要な人を選びました。

 

経営陣と現場が
すべて同じ考えだったわけではありません。
むしろ何度も衝突しています。

 

それでも大きな方向は共有されていました。

 

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次の申請は、申請書から始めない

次の補助金申請は
まだ始まっていません。
結果がどうなるかも分かりません。

 

ただ前回とはスタート地点が違います。

 

今回は申請書を書くところから始めません。

 

これから会社をどうしたいのか。
まずそこから考えます。
それを共有してから
AIに任せます。

 

AIに仕事を任せる前に
人間が決めておくべきことがあります。

 

行き先を決める。
そこからが本当のスタートです。

 

あなたの会社で
誰かに任せている仕事を
ひとつ思い浮かべてみてください。

 

その仕事が
何のためのものなのか。
相手に渡していますか。

 

渡したつもりになっていたかもしれない
と感じた方は、一度お話しましょう。

 

  • 何が伝わっていないのか、まだ言葉にできていない
  • 相談するほどのことか判断がつかない
  • とりあえず一度、話を聞いてほしい

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。