現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「空調服」騒動でわかった、社員に言葉が伝わらない理由

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最近、めちゃくちゃ暑いですね~たらーっ (汗)

 

職業柄ファン付きの作業着をよく目にしますし、
会社でもほとんどの人が着ています。

 

暑い日が続いていることもあり
いたるところで見ますよね。

 

そんな私でも去年あたりから
気になっていることがあります。

 

それは毎日乗る通勤電車。

 

作業着のファンを回したまま
乗っている人を見かけるようになりました。

 

 

冷房の効いた車内でファンを回したら
さぞかし涼しいでしょう。
この暑さですから
ファンを回したくなるのもわかります。

 

でも、あのブオーンという音は
朝の通勤時にはけっこう
大きいんですよね。

 

神経を逆なでされる人も
いるんじゃないかな。

 

正直、せまい車内では
少し静かにしてほしいなと思うのです。

 

 

 


「その名前を使うな」と会社が言った

 

そのファン付き作業着に関して
こんな出来事がありました。

 

きっかけは
ある飲食店の貼り紙。

 

 

会話

「臭いが気になるので
店内では空調服の電源を
切ってください」

 

お客に向けたお店側からの
お願いの貼り紙です。

 

この投稿に対し、ある会社が
公式Xでこう発信しました。

 

 

「空調服」は弊社の登録商標です。
一般名称の「ファン付きウェア」
「ファン付き作業服」を
使ってください。


 

実は「空調服」というのは
株式会社空調服という企業が
2004年に発売した商品の名前でした。

 

そしてこの「空調服」は
同社の登録商標だったんですね。
私はこのニュースで初めて知りました。

 

その、株式会社空調服が
先のSNS投稿の「空調服」に反応した。

 

「空調服というのは登録商標だ」
という言い分は正しいんです。

 

自社で市場を作ってきた名前です。
すでに商標登録されていた点からも
その名前を守りたい気持ちはよくわかります。

 

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五時間後に、会社は謝った

 

ところがこの発信には
批判が集まりました。

消費者に言い換えを強いるのか!

と。

 

そして約五時間後。
会社は再びXを更新し
こう発信します。

 

 

「マナー問題とは切り離して
弊社商標のご案内をしてしまい
大変申し訳ございませんでした。
配慮が全く足りておりませんでした」

 

株式会社空調服がその日のうちに
取り下げた件で重要なのは
「空調服は登録商標だ」という主張を
取り下げたわけではない、ということ。

 

飲食店のマナーの話に
登録商標の話をかぶせてしまった。

このかぶせ方について詫びた。

 

一方、伝えたいこと(登録商標であること)は
一ミリも変えていません。

 

ちなみに弁理士の見解としても

「一般消費者に強制するものではなく、
登録商標であると知っておいて
いただけると嬉しいというお願いレベル」

だそうです。

 

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言葉は、意味が揃って初めて通じる

 

空調服って聞いたら
「あーあれね」とほとんどの人が
思う一方で、

 

ファン付きウェアって聞いて
「あーあれね」って思う人は
どれだけいるでしょう?

 

言葉とその指す内容、意味が
ピッタリそろうって
すごい事だと思いませんか?

 

同じ単語を使っていても
思い浮かべるものが
人によってズレていたら
会話は噛み合いませんよね。

 

その点「空調服」は完璧です。
その一語で全員の頭に
同じ一着が浮かぶ。

 

株式会社空調服がSNSに投稿したのは
この「一語で意味が揃う」状態を
守りたいからです。

 

さらに言えば『空調服なら株式会社空調服』
となればベストですよね。

 

今まであまり認知されていなかった
会社名まで広く知らしめたという意味では
今回のドタバタは結果オーライなのでは、
と思ってしまいます。

 

と、ここまでは
よその会社の
笑い話です。

 

笑えないのは
ここからです。

 


意味が揃った言葉はそれだけで
仕事を速くします。

 

ではここで
矛先を自分の会社に
向けてみてください。

 

「空調服」は
一語で全員に同じ一着が浮かびました。

 

あなたの会社で
毎日飛び交っている言葉は
どうでしょう。

 

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一番怖いのは、当人たちもズレていること

 

どの会社にも
社内だけで通じる言葉があります。

 

あの機械の通称。
あの帳票の呼び名。
あの作業を指す
ひとことの合図。

 

長年かけてみんなが
使うようになった言葉です。

 

その意味まで揃っているなら
これは財産です。
仕事が速くなるから。

 

危ないのは
言葉だけが受け継がれて
意味が一緒に受け継がれていないとき。

 

新しい人にその言葉は教える。
でもその言葉が何を指すのか
なぜそう呼ぶのかは教えられていない。

 

言葉だけが
独り歩きしている状態です。

 

するともっと怖いことが起きます。

 

使っている当人同士でも
意味が微妙にズレるのです。

 

でも長らく使ってきた言葉なので
今さら確認などしません。

 

試しに一人ひとりに
「それ、正確にはどういう意味?」と
聞いてみてください。

 

同じ言葉でもみんなが
少しずつ違うものを指しているかも。

 

しかも言葉が揃っている
ように見えるので
誰もそのズレに気づきません。

 

先の「空調服」の会社も
一般名称との線引きを
うまく説明しきれず
五時間で発信を引っ込めました。

 

言葉が独り歩きすると
発信した本人も
足をすくわれるのです。

 


そしてこれは
現場だけの話ではありません。

 

社長が朝礼で言った
あのひとこと。

 

社長は
言ったつもりでいます。

 

でも
その言葉の意味が
社員の側で
少しずつ違って届いていたら。

 

社長は言った。
社員はそう受け取っていない。

 

同じ言葉を使っているのに
話が噛み合わない。

 

会議が
空中戦になる。

 

原因は
やる気でも能力でもなく
言葉の意味が
揃っていないことかもしれません。

 

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新人の「それ何ですか」は、無知ではない

 

ではこの、みんなが使っている言葉の
意味があいまいになっていないかを
どうやって見つけるのか。

 

その会社に長くいる人には
なかなか見つけられません。

 

まさにあまりに当たり前に
使っているから
そもそも疑いを持たないんです。

 

見つけてくれるのはえてして
新しく入った人です。

 

新人や中途採用の社員が
「それ、何ですか」と聞いてくる。

 

これは
言葉の意味をはっきりさせて
社内の言葉を見直す
またとない機会です。

 

多くの会社はこれを
「まだわかっていない人」の質問として
片付けます。

 

でもその質問は
無知の露呈ではありません。

 

意味が揃っていない言葉を
あぶり出してくれる合図です。

 

新人が引っかかった言葉。
それはたいていベテランが
意味を明確に教えられない言葉です。

 

言葉だけを受け継いで
意味を受け継いでいないからです。

 

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言葉と意味は、セットで渡す

 

ここまで分かれば
やることはシンプルです。

 

新しい人が
「それ何ですか」と聞いてきたら
邪険にしない。

 

その言葉を
書き留めておく。

 

そしてその言葉を
その意味を説明できるかを
確かめてみてください。

 

説明できないなら
それは言葉だけが宙に浮いている
サインです。

 

言葉は意味とセットで渡して
初めて活きた言葉として
受け継がれます。

 

言葉だけを渡すのは
中身の入っていない箱を
手渡すのと同じです。

 

「言わなくてもわかる」は
たいてい
わかっていません。

 

あなたの会社は
言葉を渡していますか。
それとも
意味ごと渡せていますか。

 


社内の言葉が
どこかで噛み合っていない。
そう感じた方は
一度お話ししましょう。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。