現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「俺には無理」と社長が言った日に研修は終わった

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少し前、取材を受けました。

その紙面が先日届きました。

 

 

私たちの展示会出展に関する記事が

写真つきで載っています。

 

記事を読んでいるうちに
これまでの展示会のことを
徐々に思い出していました。

 

 


 

MOOV,pressに載りました

 

大阪産業局のMOBIOが発行する
ものづくり情報誌

『MOOV,press』があります。

 

その最新号(46号)で
我が新免鉄工所の展示会が
取り上げられました。

 

「わが社の展示会自慢!」という
コーナーです。

 

 

レーザー事業部の部長、平永さんと
DX事業部の私の二人で取材を受けました。

 

取材をしていただくのはありがたい話です。

 

ただこの取材を受けながら
自分の中でずっと
考えていたことがあります。

 

展示会の話ではありません。

 

研修やセミナーをどう活かすか

という話です。

 

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自社製品がない会社は展示会で何を見せるか

 

私の前職は加工業でした。

扱うのはお客様のものです。

自社製品はありません。

 

展示会に出るexclamationとなったとき
最初にぶつかったのがここです。

ブースに並べられるものがない

のです。

 

加工する技術は確かにあります。

けれどその技術自体は目に見えません。

 

では、どうやってアピールするか。

 

考えて考えて出した答えが
このブースでした。

 

 

ど真ん中をミニ四駆が走り回る。

社員はヒーロー戦隊の鉄砲を持つ。

 

楽しんではいましたが

単に面白さだけを
求めていたわけではないんですよ。

見えない技術をどう見せるか

を考え抜いた結果
ここに行き着きました。

 

「このブースは何ですかexclamation and question

 

そう言って覗き込む来場者の名刺が
一日で数百枚集まりました。

 

名刺の数だけ見れば大成功です。

 

ただ売上などへの効果は
ほとんどありませんでした。

 

今、私が所属する新免鉄工所も
前職と同じく加工業です。

 

新免鉄工所でまた展示会を任されたとき
前職の光景がまぶたに浮かびました。

 

自社製品がない会社が
展示会で何を見せるのか。

前職と同じやり方でいいのか。

そこでいったん立ち止まったことが
すべての始まりでした。

 

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来場者は出展者と目を合わせない

 

そこで参加したのが今回取材を受けた
MOBIOの展活という講座でした。

 

 

今回は平永さんと二人で受講しました。

平永さんは実は前職での大先輩であり
前職の展示会も一緒に担当してました。

 

そんな私たちが展活で教わったのは
前職で考えていたのとはまるで
違うブースの見せ方でした。

 

 

お困りごとをタペストリーで
大きく訴える。

 

問題解決を箇条書きで前面に出す。

 

社名はすみっこでいい。

展示会に行かれた方なら
わかると思います。

 

来場者はブースを見ますが
出展者とはかたくなに
目を合わせません。

目が合えば出展者に捕まる

と思っているからです。

 

ほとんどの来場者はそのまま足早に
私たちのブースを通り過ぎていきます。

 

このスルーをどう防ぐか。

展活にはその仕組みがありました。

 

文字のサイズも
社名の位置も
留め具の購入先も

 

印刷業者まで
教わった通りにしました。

 

すると納得した平永さんの動きは
めちゃくちゃ早かった~。

 

講義の後すぐにチラシを作り始めて
私の出番がなくなるほどでしたあせあせ (飛び散る汗)

 

でも本当に変わったのは
来場者の反応でした。

 

ブースを見ながら私たちにまっすぐ
話しかけてくる人が明らかに増えたんです。

 

 

ブースのタペストリーを見て

会話
これを聞きたい

と言って向こうから
ブースの中へ入ってきます。

 

こちらが声をかける前に
案件相談がすでに始まっています。

 

 

展示会後のお礼メールも

その反応の数も質も上がりましたdouble exclamation

 

東京、大阪、名古屋と
回を重ねるごとに
手応えは確かになりました。

 

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自分たちは何をしたのか

 

展示会の成果が出てから
振り返りました。

 

何が良かったのか。

自分たちは何をしたのか。

 

考えてみると
特別なことはしていません。

 

展活で教わったことを
そのままやっただけでした。

 

私たちが前職でやってきたことは
そこには入っていません。

 

最初からそうしようと
決めていたわけではないのです。

 

展示会が終わってから気づきました。

 

『TTP』という言葉があります。

(T)徹底(T)的に(P)パクる。

やっていたのはこれだけでした。

 

その後、展示会場を歩くと
同じ講座を受けた仲間のブースを
いくつも見かけます。

 

タペストリーは掲げてある。

箇条書きも並んでいる。

 

けれど社名が真ん中にあったり
デザインが凝りすぎていたりする。

 

各社の事情があるのは
知っている前提で書きますが

 

けっきょくそこに自分たちの
解釈が入っているんですよね。

 

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なぜ展活は活きたのか

 

私は仕事柄
セミナーや講習や研修を
たくさん受けてきました。

 

でも正直言って、
研修で身についたもの
セミナーで実際に何かの役に立ったもの
は限られます。

 

研修を受けた直後はやる気満々です。

 

研修メモはびっしり埋まっています。

会社でやることも分かっています。

 

会話

これはうちでもできる。

 

会話

月曜から始めよう。

そう考えて意気揚々と会場を出ます。

 

ところが会社に戻ると
すっかり受講前の状態に戻ってるんです。

 

せっかく取ったメモを開くことさえなく
研修から一週間が過ぎ去ります。

 

不思議なものです。

 

研修の内容が悪かったわけではありません。

講師の問題でもありません。

 

では今回の展活は何が違ったのか。

 

考えてみると展活を活かせた理由は
三つありました。

 

 

活かせた理由1.
講座そのものが実務的で
展示会で成果を出すという
目的がはっきりしていたこと。

 

活かせた理由2.
私たち参加者の側にも
何のために受けるかという
目的があったこと。

 

活かせた理由3.
目の前に
出展を控えた展示会が
実際にあったこと。

 

学びを実践する場が
すでに用意されていたんです。

 

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いつから評価者になったのか

 

昔、私が幹部研修を提供していた
クライアント様から聞いた話を
思い出しました。

 

社長が社員2名を研修に
行かせたときのことです。

 

戻ってきた社員が話したのは
学んだ内容ではありませんでした。

あの講師はどうだった。

あの研修はここが物足りなかった。

自社には合わない理由を
いくつも並べたそうです。

 

その話を聞いたとき
私は思いました。

 

いつから評価者になったのか。

そして我が身を振り返りました。

自分はどうだったか。

 

参加者だったはずの自分が
いつのまにか研修やセミナーを
『評価』していなかったか。

 

私にも身に覚えがありました。

 

 

あの講師は話がうまい。

 

あの内容は前にも聞いた。

教えてもらいに行った人間が
帰り道で講評を始めているのです。

 

しかも合わない理由なら
いくらでも出てきます。

 

 

うちは業種が違う。

 

うちは規模が違う。

 

うちの現場は事情が違う。

どれも間違ってはいないから
反論も特にありません。

 
だから始末が悪いのです。
そして何も変わりません。

 

評価する側に回った瞬間に
学ぶ側の席から降りているのです。

 

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「俺には無理」と社長が言った日

 

次は私の前職での話です。

 

私が受講してとても感銘を受けた研修を
社内で幹部向けに改めて開催しました。

 

外部から講師陣を招いて
数ヶ月かけたものです。

 

社員が業務時間を割いて参加し
会社は決して安くない費用を出しました。

 

そしてその最終回。

 

参加者が順番に
これから自分がどうするかを
話していく場面です。

 

当時の社長の番が来ました。

社長は半笑いでこう言いました。

 

会話

「俺には無理」

研修を受講してきたみんなの前で、です。

その瞬間に数ヶ月の研修が
すべて文字通り終わりました。

 

誰も何も言いませんでした。

言えるわけがありません。

 

トップが無理だと言った施策を
社員が続けられるはずがありません。

 

これだけの時間とお金をかけて
結局何も変わらない。

 

変えられない。

 

その虚脱感だけが残りました。

 

その後の講師陣との飲み会で
私は泣きました。

 

本気で泣きました。

 

情けなかった~。

悔しかった~。

 

あのときの気持ちは
今でも忘れられません。

 

 

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だから私はセミナーの依頼を選びます

 

この経験があるので
私はひとつ決めていることがあります。

 

会話

「うちでもセミナーをやってよ。」

そういう軽いノリの依頼は
ぜったい受けません。

 

やっても無駄だからです。

 

その時間とお金があるなら
製品をひとつ作って
売ったほうがいい。

 

そのほうが会社は良くなります。

 

冷たく聞こえるかもしれません。

 

けれど中途半端な研修は
何も残さないどころか

 

「やっても変わらない」という
記憶だけを社内に残します。

 

次にやるときの
足かせになるのです。

 

だからまず聞きます。

 

今どこでなにが止まっているのか。

何をどう変えたいのか。

 

そのうえで
研修がいちばん効果的なのかどうかを
一緒に考えます。

 

止まっている場所が別にあるなら
そちらを先に動かします。

 

研修は手段のひとつであって
目的ではありません。

 

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変わるべきなのは誰か

 

教わった通りにやらずに
自分たちの解釈を優先させてしまうと

そのやり方が効くのかどうかは
永久にわからなくなります。

 

教わったことが効かなかったのか。

 

教わったことをそのままやらなかったから
効かなかったのか。

 

区別がつかないからです。

 

だから検証もできません。

 

研修に行かせても何も変わらない。

社員を替えても同じです。

 

御社が社員を研修に参加させる場合
何のために行かせるかを
社員と話をしていましたか。

 

戻ってきた社員の話を
最初に聞いたとき何と言いましたか。

 

社員が変わらなかったのではなく
社員が変われる状況を
作っていなかっただけかもしれません。

 

研修が一番効くのは
会社全体で徹底的にパクると
決めたときです。

 

「俺には無理」

 

この一言だけは
けっして言わないでください。

 

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今日のポイント

 

 

学ぶ側として

  • 教わったことは
    まず100パーセントそのままやる。
  • うちに合うかどうかの判断は
    そのまま試した後に持つ。
  • 最後まで学ぶ側の席に座り続ける。

 

送り出す側として

  • 何のために行かせるかを
    先に決める。
  • 学びを実践する場を
    先に用意しておく。
  • 二人以上で行かせる。
  • 戻ってきたら
    うちでどうやるかを一緒に考える。
  • トップが最後まで一緒に立つ。

 

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その研修、本当に必要なのかどうか。
まず現状の整理からご一緒します。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。