7月20日(月)の夜は
NHKでFIFAワールドカップ2026の
総集編を見ました。
驚いたのは
解説者がいないことです。
訳知り顔のタレントもいない。
あるのは映像と
選手や監督の声だけ。
事実だけを淡々と流していく。
なのに引き込まれました。
説明されないから
こちらが感じる余地が残る。
考える隙間が生まれる。
答えを教えられるより
自分で感じたことのほうが
ずっと深く残ります。
見終えて
これは教育の話でもあると
感じました。
そういえばあの映画
『トップガン マーヴェリック』でも
トムクルーズが言っていました。
「考えるな、感じろ」
なんとなくカッコいい言葉です。
気になって調べてみました。
Geminiに聞いてみました。
返ってきた答えは意外でした。
「考えるな、感じろ」は
単なる精神論ではないというのです。
脳は「感じる」ほうが
「考える」より速く動く。
過去に積んだ経験を
無意識のうちに照合して
一瞬で答えを出している。
だから達人は
考える前に体が動く。
ただしGeminiの回答には
大前提も添えられていました。
「感じろ」が正解になるのは
十分な反復と経験がある分野だけ。
未経験の場所で感じて動けば
それはただのギャンブルです。
サッカーワールドカップ
優勝したのはスペインでした。
若手の注目株、19歳の
スペイン代表、ヤマルは
こう言っていました。
「最初はみんな一緒
ボールを蹴っていた」
出発点は同じ。
差がついたのは
その後に積んだ経験の量。
Geminiの話には
続きがありました。
これからのAIと人間の在り方についてです。
人間の直感とAIは対立しない。
上手く使えば補い合う関係になる。
AIは大量のデータから
人間が見落とすパターンや
相関を高速で洗い出す。
人間はそのアウトプットを見て
自分の経験から判断し
筋の良いものを選び取る。
そして最後のゴーサインを出すのは人間。
AI単体でもなく
人間単体でもなく
AIを道具として使いこなし
最終判断を自分の経験で下す人間。
この役割分担が一番高い成果を出せる。
ちなみにこのことは
チェスでも医療診断でも
確かめられているそうです。
私はここが肝だと考えています。
AIが賢くなるほど
人間が楽になるのではありません。
AIが出した答えの中から
筋の良いものを選び取る。
その目を持つ人間の経験値が
これまで以上に問われます。
だから逆説的ですが
AIの時代こそ人間は人間で
経験を積むしかありません。
では経験でしか養えないものとは
何でしょうか。
私は現場で毎日目にしていることがあります。
それは弊社の塗装職人の動き。
主液に硬化剤やシンナーを入れる。
その量をいちいち細かく測りません。
今日の気温
今日の湿度。
その日の状態を
身体が覚えているから
迷いなく手が動きます。
製造設備の異音や異臭にも
敏感です。
まだ数字にならない段階で
「いつもと違う」に気付く。
異常のシグナルを
感覚で拾い上げます。
これはAIがまだ持てない
違和感というセンサーです。
そしてこの感覚は
教わって身につくものではありません。
本人が何年もかけて
自分で養うしかない。
マニュアルには書けないし
そのまま人へ譲り渡すこともできません。
個人的なものだからこそ
経験がいるのです。
知り合いの社長がよく口にする
困りごとがあります。
「AIを入れたのに現場が変わらない」
たいていの場合、原因はAIではありません。
AIが出した答えを見て
「これは筋が良い」
「これはおかしい」と判断する。
その経験が現場に足りていないのです。
あるいは
一部のベテランだけが判断して
ほかの人には任せていない。
任されなければ
経験は積めません。
AIが悪いのではありません。
判断を支える経験を
現場に積ませていないのです。
ここがボトルネックです。
私が考えるDXは
単なる効率化ではありません。
一人ひとりが
自分で判断して動ける。
そしてその判断が認められる。
そういう状態を現場につくる。
その目標が実現した状態が私の言うDXです。
自分で判断できる土台があって初めて
AIは判断を補う道具として活きます。
NHKのFIFAワールドカップ2026総集編に
戻ります。
あの番組が解説を抜いたのは
一番強い教育ですね。
答えを示すのではない。
感じて考える余白を残す。
人が育つのはそこです。
会社も同じです。
答えを全部渡してしまうと
一人ひとりの経験は育ちません。
少し余白を残す。
任せて待つ。
そしてその判断を認める。
遠回りに見えて
AIを使いこなせる人間は
そこからしか育ちません。
スペイン代表ヤマルの言葉を借りれば
最初はみんな一緒なんです。
差がつくのは
自分の頭で判断した経験の量です。
あなたの会社では
一人ひとりが自分で判断でき、
それが認められる余白が
残っていますか?
まず現状を整理したい方
お気軽にどうぞ。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
|
| 支援内容 |
DX推進・IT活用の相談・伴走支援 組織づくり・人材育成の仕組み化 |
|---|---|
| 活動拠点 | 奈良県 |
| 営業時間 | 平日9時~18時 |
| 定休日 | 土日祝 |