指示ゼロ経営の米澤晋也さんが
こんな記事を書いていました。
早く帰ることが
我慢でも福利厚生でもなく
戦略だという話です。
面白い視点でした。
記事で紹介されていた本
『デンマーク人はなぜ4時に帰っても
成果を出せるのか』
をすぐに読みたくなり
その日のうちにKindle版を購入し
読み始めました。
読んでいて
何度もうなずきました。
午後4時には仕事を終える。
退社時刻を先に決める。
会議や確認を減らす。
いい話ですねぇ~。
真似したくなりますねぇ~。
そこで私はふと、
うちの工場を思い浮かべました。
ここで

とだけ言ったら
どうなるでしょうか。
たぶん翌日に
仕事が積み残るだけです。

って言う社長を
私は何人も見てきました。
心から社員を思っての言葉です。
それでも次の月も
残業は減りませんでした。
一方で口先だけの人もいます。
自分だけ先に帰る上司です。
その下では
部下は実務を抱えたまま
とても帰れません。
私もそう思っていました。
プログラマだったころ
いつも締め切りに追われて
ギリギリまで残業していました。
正直に言えば
自分のコーディングに
自信がなかったからです。
「早く帰れ」と言われて
帰れるくらいなら
最初から残業していません。
記事で紹介されていた本
『デンマーク人はなぜ4時に帰っても
成果を出せるのか』によれば、
デンマークの現場が短時間で回るのは
個人が急いでいるからではありません。
残業を前提にせず
限られた時間で
工程全体が流れるように
仕事と設備と人を
設計しているからです。
早く帰ることが戦略として効くのは
その設計が先にあるからです。
順番を逆にして
時刻だけ真似ても
現場が苦しくなるだけです。
実際の現場を
思い浮かべてみるとこんな感じ。
終業間際に問題が噴き出す。
若手が育たない。
ひとつひとつを見ると
どれも手強く
別々の問題に見えます。
人の問題。
段取りの問題。
営業の問題。
教育の問題。
そう思って
それぞれに手を打っても
どれも効いた気がしないんですよね。
こういうとき
人を見てはいけません。


「あいつはできない」
それでは何も解決しません。
罪を憎んで人を憎まず。
見るのは詰まりの本質です。
なぜそこで止まるのか。
前後の流れを見ます。
受注から出荷までの間で
仕事がどこでたまっているか。
ボトルネックは一か所。
そこが詰まっているから
手前で仕掛品が積み上がり
後ろで手待ちが生まれ
最後に残業で吸収する。
休めないのも
終業間際に噴き出すのも
元をたどると
同じ場所で止まっている。
そこに集中して手を打てば
全体が息を吹き返します。
残業は
個人の速さの問題ではありません。
工程の設計の問題です。
だから最初に見るのは
社員一人ひとりの
退社時刻ではありません。
残業のうち
実作業は何時間で
待ちと手戻りと段取りが
何時間か。
誰が休むと何が止まるのか。
なぜ終業直前に集中するのか。
一番詰まっている場所が見つかると
打ち手が決まります。
そこの情報を
早く上げる仕組みがいる。
だから現場が
悪い報告こそ先に出せる空気がいる。
そのうえで
重複入力や紙の転記を
ITで軽くする。
順番が大事です。
道具から入るのではなく
俯瞰する、流れを見るのです。
そのうえで
帰る時刻を先に決めて
そこから逆算して仕事を組む。
仕事の区切りで帰ろうとすると
区切りは先へ延びて
いつまでも帰れません。
これは私の実感ですが
早めに切り上げても
翌日に響かないことは
案外多いのです。
目指すのは
「4時に帰る会社」ではありません。
「残業をしなくても流れる会社」です。
米澤さんの言う
「早く帰れは繁栄戦略」に
私も賛成です。
そのうえで一つ付け足すなら
戦略を現場で動かす鍵は
気合いではありません。
どこで流れが止まっているかを
先に見ることです。
早く帰れと言うほど
現場が苦しくなる。
あれは
どこかで流れが止まっている
サインです。
まず現状を整理したい方
お気軽にどうぞ。
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