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職人は生まれつき職人ではない。福井のそばで気づいたこと

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先週末は福井へ行ってきました。

 

福井県にある永平寺のことは
先日のブログに書きました。
→ 前回の記事はこちら

 

あなたは福井県と聞いて
何を思い浮かべますか?

 

勝山の恐竜、鯖江の眼鏡、越前の越前ガニ。

 

そして、そば。

 

現地でたくさんの
蕎麦屋さんの看板を見ながら
ふと思ったことがあります。

 

IT参謀会話

福井のそばのおいしさは
腕のいいそば職人がたくさんいるから?

でも調べてみたら
それだけではなさそうです。

 

福井のそばは
昔からその土地にある在来種を
そのまま育てているそうです。

 

その数、なんと22系統exclamation

 

しかも同じ福井県の中でも
山間か平地か
土質はどうか
日当たりはどうかで
そばの味も香りも変わるそうです。

 

 

だから品種の名前が
「大野在来」「丸岡在来」「今庄在来」と
土地の名前そのものになっています。

 

IT参謀会話

そばの味を決めているのは
そば職人の腕前だけではなかったんです。
その土地の土壌が決めているんですね。

 

 


職人は、生まれつき職人なのではありません

我が新免鉄工所には
ベテラン社員がたくさんいます。

 

言い換えれば
職人さんが多い会社です。

 

長年仕事をしてきた社員は
図面や手順書に書かれていない知識を
たくさん持っています。

 

音を聞いて機械の状態を判断する。
表面を見て仕上がりを判断する。
材料を見た瞬間に
「これはちょっと違う」と気づく。

 

職人さん本人に聞くと
「見たらわかる」
「やってたらわかるようになる」
と言われる世界です。

 

こうした事例を見ると
すぐにこういう話になりがちです。

 

「属人化をなくしましょう」

「マニュアル化しましょう」

「AIに置き換えましょう」

その発想はわかります。

会話
担当している社員が休めば仕事が止まる。
会話

辞められたら誰も代われない。

社長からすれば
これほど不安なことはありませんよね。

 

でも私はIT化やマニュアル化の前に
その会社の土壌を見ます。

 

なぜならベテラン社員のあの判断力は
生まれつき持っていたものではないからです。

 

自社に来る仕事。
自社で扱う材料。
自社にある設備。
自社のお客様が出してくる要求。
先輩から受け継いだやり方。
失敗して叱られた経験。

 

これらすべてがその会社の土壌です。

 

ベテラン社員は
この土壌の中で何十年も働くうちに
あの判断力を身につけました。

 

IT参謀会話

職人は生まれつき職人なのではありません。
その会社の土壌が育てるんですよね。

 

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ベテランの知識が若手に渡らなければ、そこで終わります

だからよその会社のマニュアルを
持ってきただけでは
自社の職人は育ちません。

 

そのマニュアルには
よその会社の土壌で育ったやり方しか
書かれていないからです。

 

同じ福井県の中でさえ
土壌が違えば別のそばになるのと同じです。

 

そして、土壌がどれだけ豊かでも
ベテラン社員の知識が若手社員に渡らなければ
会社はやがて衰退していきます。

 

ベテラン社員が5人いる会社で
誰にも知識を渡さないまま
その5人が退職すれば

 

その会社が何十年もかけて積み上げた知識は
一代で消えてしまいます。

 

しかも怖いのはその消え方。

 

今日は誰も困らないんです。
本当に困るのは
最後の一人が辞めたあと。

 

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寡黙な職人と、慎重な若手のあいだにITを置く

では、なぜベテラン社員の知識は
若手社員に渡らないのか。

 

ベテラン社員が教えたがらないから?

 

私はそうは思っていません。

 

うちのベテラン社員は
若手社員が聞けば教えてくれます。

 

ただ、自分の知識を
言葉にする習慣がありません。

 

自分も見て覚えてきたので
何を見て判断しているのかを
人に説明する機会がありませんでした。

 

 

一方の若手社員はどうか。

 

若手社員はそもそも
聞くタイミングがつかめません。

 

ベテラン社員はいつ見ても
手を動かしています。

 

いま話しかけたら作業を止めてしまう。
機嫌が悪そうに見える。
こんなことも知らないのかと思われたくない。

 

そう考えているうちに
聞かないまま一日が終わります。

 

これは製造業に限りません。
どんな職場でも起きています。

 

ベテラン社員も若手社員も
悪いことは何もしていません。

 

自分の知識を言葉にする習慣がない人と
聞くタイミングがつかめない人。

 

この二人を向かい合わせるだけでは
ベテラン社員の知識は若手社員に渡りません。

 

そこで私からの提案。
ここにITを使います。

 

face to faceでは切り出せない質問も
チャットなら送れます。

 

ベテラン社員は
手が空いたときに返せばいい。

 

若手社員は
聞くタイミングを待たなくていい。

 

文章にしにくいことは
写真を1枚撮って送れば伝わります。

 

そして何より
チャットに残った質問と答えを
ベテラン社員が読み返したとき

 

自分が何を見て判断しているのかに
本人が気づきます。

 

ここが大事なところです。

 

言葉になった瞬間に
その知識は本人だけのものではなくなります。

 

チャットを使うか
写真を使うか
動画を使うか
AIを使うか。

 

どのITツールを選ぶかは
会社によって変わります。

 

目的はひとつです。

 

ベテラン社員と若手社員のあいだにある
聞きにくさをなくすこと。

 

これが私の考えるDXのひとつです。

 

新しいシステムを買うことではありません。

 

その会社の土壌で育った知識を
ベテラン社員から若手社員へ渡すために
ITを使うことです。

 

そう考えれば
ベテラン社員が多い会社は
決して古い会社ではありません。

 

若手社員に渡す知識を持っている会社です。

 

在来種のそばは
よその土地へ持っていけません。

 

でも自分の土地で
育て続けることはできます。

 

会社も同じです。

 

自社の職人をよその会社のやり方に
無理やり合わせる必要はありません。

 

自社の土壌で
次の職人が育つようにすればいい。

 

 

新しいシステムを買う前に
自分の会社を見てください。

 

若手社員が
ベテラン社員に聞きたいことを
聞けているかどうか。

 

そこが分かれ目です。

 

自社の土壌で育った知識が
次の世代に渡っているかどうか。
気になった方は一度お話ししましょう。

 

  • 考え方が近いと感じた
  • 自分の会社は違うと思った
  • どこが違うのか話してみたい

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。