現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「彼女のパクチーになれないかな」——使われないシステムの話

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先週、TVerの見逃し配信で
あるドラマを見ていた。

 

松村北斗さん主演の
『告白-25年目の秘密-』。

 

そこで飛び出した一言が
妙に頭に残った。

 

 

「彼女のパクチーになれないかな」

松村北斗さん演じる爽太には

25年間思いを寄せる女性がいる。

 

最近になって
少しずつ距離が縮まり
やっと彼女に
自分を認識してもらえた。

 

そこで彼は思う。

 

パクチーみたいに
最初は箸をつけられなくても
何度も食卓に並ぶうちに
いつか好きになってもらえないか、と。

 

 

自分をパクチーに喩えた
切ない片思いの独白でした。

 

うろ覚えなので
一言一句この通りだったかは
自信がないのですが

 

「パクチー、最初は仕方なく食べて
そのうち平気になって
食べ続けたら好きになった」
という流れだったと記憶しています。

 

あの一言が頭に残ったのは
私がふだん向き合っている問題と
同じじゃないのか、と思ったからです。

 

 

現場で新しいシステムが
使われない。

その問題です。

 


 

 


 

食べ続ければ好きになるは本当

 

まず事実から。

 

苦手なものも食べ続ければ好きになる。

 

これは科学的に正しいそうです。

 

単純接触効果といって
人は接触の回数が多いものほど
好意を持ちやすい。

 

ビールもコーヒーも
最初のひと口は顔をしかめます。

 

それが毎日続くうちに
好物に変わる。

 

食べ物で実験した研究でも
未知の食品を何度も口にするほど
好まれるという結果が出ています。

 

新しいチャットツールも
普通に使うようになるまでの流れは同じ。

 

「メールでええやん」
と言っていた人が
三週間も触り続ければ
チャットを当たり前に使っている。

 

これは実際に起こります。

 

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ただしパクチーには例外がある

 

でも100%そう、ではありません。

 

パクチーというものを
どうしても受けつけない人がいる。

 

好き嫌いに加え
遺伝的な要因があるからです。

 

こういう人はどれだけ
食べ続けても好きにならない。

 

接触回数の問題ではないんです。

 

 

パクチーの好き嫌いの話から
ITの好き嫌いに話を置き換えると
ひとつ思い当たることがあります。

 

ITにはパクチーのような
生まれつき受けつけない人はいません。

 

遺伝的要因でITがダメな人って
そもそもいないはずです。

 

それでも接触回数以前に
ITを嫌う人は一定数いる。

 

それはパクチーのような
生理的要因ではありません。

 

過去に嫌な思いをした。

面倒くさそうに見える。

自分には関係ないと思っている。

つまり後から生まれた理由です。

 

後から生まれたものなら
変えられます。

 

ここがパクチーとITの
決定的な違いです。

 

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現場には二種類の人がいる

 

これを踏まえると
ITを使わない人は
二種類に分かれます。

 

ひとつは
まだ慣れていないだけの人。

 

この人には
触れ続ける仕組みを作ればいい。

 

たとえば毎日書く日報に
そのシステムを組み込む。

 

嫌でも毎日触ることになる。
やがて手が慣れます。

 

もうひとつは
毛嫌いしている人。

 

パクチーが生理的にダメな人と同じように
この人に回数で攻めても逆効果です。

 

嫌いなものを毎日皿に盛られたら
食卓そのものが嫌になりますからね。

 

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毛嫌いの理由はひとつではない

 

ITを毛嫌いしている人をよく見ると
理由は様々です。

 

 

入力が面倒で触らない人。

 

自分の仕事に
何の得があるのか見えない人。

 

今のやり方で困っていないから
変える気がない人。

 

詳しい人に聞くのが
恥ずかしくて触れない人。

この人たちに
同じシステムを同じ形で
提供し続けても触ろうとはしません。

 

そのシステム自体の問題ではないからです。

 

問題は出され方と
まわりの空気のほうにある。

 

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私が前職でやったこと

 

前職で
それを痛感しました。

 

新しいシステムを入れようとすると
現場は身構える。

 

新しいこと=面倒なこと
にしか見えないからです。

 

そこで私はアプローチの仕方を変えました。

 

システムの話をする前に
現場の人たちと
仲良くなることから始めたんです。

 

 

よく一緒に飲みに行きました。

 

システムとは関係ない接点を
たくさん作った。

 

何が好きで
何が嫌いで
どこにストレスを感じているか。

 

それを先に知りました。

 

知ったうえで
その人に合う形で
システムを提供した。

 

だから前職で私が主導した仕組みは
現場で動き出しました。

 

ITの中身を変えた(味を良くした)
からではありません。

 

提供する前に
眼の前の相手を知ったからです。

 

嫌いなものを
そのまま盛り続けるのではなく
相手に合わせて
出し方を変えた。

 

それだけのことです。

 

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私も今、パクチーです

 

冒頭のドラマの中では

松村北斗さん演じる爽太は
ヒロイン麻里子との接触回数が増えて
ついに認識してもらえた。

 

私は今の会社で
まだそこにたどり着いていません。

 

DX事業部長という、
現場の人からは
まったく馴染みのない職種。

 

私が何をしている人なのか
いまだにわからない。

 

そもそも私と接触する機会が
現場にはほとんどない。

 

私は明らかに
パクチーです。

 

でも私は知っています。

 

しつこく皿を出し続けても
好きにはなってもらえない。

 

まず現場を知る。

 

何が好きで
何が嫌いかを知る。

 

そのうえで
出し方を考える。

 

私がやるべきことは
それです。

 

御社の使われないシステムも
たぶん同じです。

 

盛り方を考える前に
現場のことを
どれだけ知っているか。

 

システム導入はそこから始まります。

 

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使われないシステムの前に
現場で何が起きているか。
一度いっしょに整理しませんか。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。