なんか、うまくいってない」の正体|
会社の詰まりと可能性を見つけるブログ

「公務員はいいですか」と聞く学生と、「売上が悪い」という社長の共通点

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先日のことです。

 

私のクライアントで
就活コーチをされている方と
打ち合わせをしました。

 

話題になったのは
生成AIで書く
「ガクチカ」です。

 

ガクチカとは
「学生時代に力を入れたこと」の略で
就職活動の定番の質問です。

 

いまや就職活動で
AIを使うのは珍しくありません。

 

私もAIを使うことには賛成です。
自分の考えを整理し
文章を整えるには便利な道具です。

 

ただし気になることがあります。

 

自分が何を経験し
何を考え
なぜその行動を取ったのか。

 

それを整理しないまま
AIに丸投げしてしまうことです。

 

AIは立派な文章を作ってくれます。
でもそこに
本人の姿は表れているでしょうか。

 

採用する企業が知りたいのは
実績だけではありません。

 

その人が何を大切にし
どう考えて行動するのか。
自社の仕事や職場に合う人なのか。

 

本人の経験や価値観が
反映されていない文章では
それが見えません。

 

採用したあとの
ミスマッチにもつながりかねません。

 

では
なぜ自分の考えを
言葉にするのは難しいのか。

 

打ち合わせはそこから
国語力の話へ進みました。

 


「公務員はいいですか」と聞かれたら

打ち合わせの中で
印象に残った話があります。

 

ある学生から
就活コーチの方に
こんな質問が届いたそうです。

 

「公務員はいいですか」

 

あなたなら
どう答えますか。

 

給料がいいのか。
仕事内容がいいのか。
働き方がいいのか。

 

それとも
公務員試験を受けたほうがいいのか。

 

何について尋ねているのか
わからなければ
答えようがありません。

 

質問した本人には
知りたいことがあったはずです。
でもそれが言葉になっていない。

 

これは単に
質問が下手という話ではありません。

 

自分が何を知りたいのか。
何を問題だと感じているのか。

 

それを整理できていない
可能性があるのです。

 

そしてこれは
学生だけの問題ではありません。

 

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国語力は思考の土台になる

国語力というと
漢字や語彙や文章を書く力を
思い浮かべるかもしれません。

 

でも私が大事だと考えるのは
言葉を正しく理解し
自分の考えを整理して相手に伝える力です。

 

OECD(経済協力開発機構)は
PISAという国際的な
学習到達度調査で

 

読解力を
「文章を読む力」に限っていません。

 

情報を理解し
活用し
その内容を評価する力まで含めています。

 

またGrahamとHebert(2011)は
読んだ内容について文章を書くことなどが
読解力の向上につながると報告しています。

 

これらの研究は国語力が
論理的思考力をそのまま決めると
証明したものではありません。

 

それでも
言葉を理解し考えを言葉にする力は
論理的に考えるための大事な土台です。

 

参考:
OECD(2019)PISA 2018 Reading Framework
Graham & Hebert(2011)Writing to Read

 

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経営者も同じことをしていないか

たとえば経営者から
こんな相談を受けたとします。

 

「売上が悪いんです」

 

これだけでは
何が問題なのかわかりません。

 

受注件数が減っているのか。
単価が下がっているのか。

 

それとも注文はあるのに
生産が追いついていないのか。

 

原因が違えば
打つ手も違います。

 

ところが問題を整理しないまま
解決策を先に
考え始めてしまうことがあります。

 

「営業を強化しよう」
「設備を増やそう」
「人を採用しよう」

 

私は中小企業の経営改善で
TOC(制約理論)という考え方を
大切にしています。

 

TOCでは
会社全体の成果を左右している
仕事の流れの詰まりに注目します。

 

たとえば納期遅れが増えているなら
作業を効率化する前に

 

どこで仕事が滞っているのか
なぜそこで滞るのかを
考える必要があります。

 

そのためには事実を正しくつかみ
原因と結果のつながりを
整理しなければなりません。

 

「公務員はいいですか」という
学生の質問。

 

「売上が悪いから何か対策をしよう」
という経営者の言葉。

 

一見違う話ですが
共通点があります。

 

どちらも
問いが曖昧なまま
答えを求めているのです。

 

「ロジカルシンキング」
つまり論理的に考える力が
大事だとよく言われます。

 

でもその前に
何が起きているのかを正しく理解し
言葉にできなければ

 

論理的に考えることもできません。

 

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AIやツールの前に問題を言葉にできるか

最初のガクチカの話に戻ります。

 

自分の経験を振り返り
何を考え
どう行動したのかを整理する。

 

そのうえで
AIに文章を整えてもらう。

 

これは有効な使い方です。

 

でも自分を振り返ることまで
AIに丸投げしてしまうと
立派な文章はできても

 

その中身を
自分の言葉で説明できなくなります。

 

企業のAI活用も同じです。

 

「業務を効率化したい」と
AIに相談すれば
さまざまな改善策を提案してくれます。

 

でも
どの業務が本当に
会社全体の成果を妨げているのか。

 

それを理解しないままAIを使えば
必要のない改善に
時間とお金を使うことになりかねません。

 

AIは考えることを助けてくれます。

 

でも何を考え
何を解決したいのかを決めるのは
私たち自身です。

 

だからAIの時代にこそ
国語力がますます大事になります。

 

私が考えるDXは
単にITツールを入れることではありません。

 

仕事の流れを見直し
そこで働く人たちの仕事と生活の質を
良くしていくことです。

 

その出発点は
本当の問題が何なのかを
はっきりさせることです。

 

「売上が悪い」
「人が足りない」
「仕事が回らない」

 

そんな言葉が出てきたとき
私はまずこう尋ねます。

 

「具体的には何が起きているのですか?」

 

問題を言葉にし
事実と解釈を分け
原因と結果のつながりを考える。

 

問題解決は優れた答えを
見つけることではなく
正しく問いを立てることから始まります。

 

その問いを立てるための
土台のひとつが
国語力です。

 

新しいITツールやAIを入れる前に
まずは自社で起きている問題を
自分の言葉で説明してみてください。

 

本当の改善は
そこから始まります。

 

自社で何が起きているのか
言葉にしようとして手が止まった方は
一度お話ししましょう。

 

  • 何が問題か、まだ言葉にできていない
  • 相談するほどのことか判断がつかない
  • とりあえず一度、話を聞いてほしい

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。