現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

スマホ農場が教える、数字に人がいない怖さ

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先日ある番組を観ました。
NHKが「スマホ農場」を取り上げた回です。

 

SNSのいいねや表示回数を

人の手で水増しする。
その拠点を追った内容でした。

 

私は会社でブログを書いたり

SNS投稿をする業務も担当しています。
だからこの番組は

他人事ではありませんでした。

 

 

 


数字は工場で作られていた

 

正直な感想は、この番組の内容は
私の想像をはるかに超えてましたね。

 

多くの人が使う有名な

ブログサービスがあります。

 

その管理画面に表示されるアクセス数と
実際に読まれた数が大きく違う場合があります。

「今日は500人に読まれた!」

そう思って喜んでいる人がいます。

 

でも本当に記事を読んだ人は
その何分の一かもしれません。

 

知っている人は知っている。
知らない人は数字をそのまま信じている。

 

水増しといってもその程度の
ちょっとしたズレだろう。
くらいに思っていました。

 

ところが番組で映ったのは桁違いでした。

 

ある部屋にラックがずらりと並びます。
そこに差さっているのはスマホの基板です。
その数およそ10万枚。

 

<AIで生成したスマホ農場イメージ画像>

 

基板は熱を持ちます。
だから冷却液を通したパイプで冷やし続けます。
24時間止めることなく動かします。

 

施設にかかった費用は数十億円規模。
そこから生まれる年間の利益は
およそ45億円だといいます。

 

いいねを増やす。
再生回数を増やす。
表示回数を増やす。

 

それが立派な「事業」として回っているのです。

 

取材に応じたのは10代の若者でした。

「SNSの数字は簡単に作り出せます」

その若者はそう言ってのけたそうです。

 

実際に、ある投稿は5分で
143万回表示されました。
「テスト」とだけ書かれた
中身のない投稿がです。

 

依頼はどこから来るのか。
企業。
インフルエンサー。
そして選挙の候補者まで。

 

数字が力を持つ場所には
必ず買い手がいます。

 

こうして作られた数字に
リアルはひとつもありません。

 

フェイクの動画や画像。
巧妙なスパムメール。
本物そっくりのウイルスメール。
そこに数字の水増しまで加わってきます。

ネットはそもそも信用できるのか。

DX推進を仕事にしている私が
番組を観終わってそんな気持ちになりました。

 

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その数字の裏に誰がいるのか

 

表示回数は作れる。
いいねも作れる。

 

でもその裏で本当に見ている誰かは
必ずいます。
数字はゼロででっち上げられても
実体そのものが消えるわけではありません。

 

我々が考えるべきはこちらの実体のほうです。

 

 

大きな数字に引っ張られたとき
本当に見ているリアルの一人が

見えなくなりがちですよね。

 

でも数字の大小と実体の有無は

まったく別の話なのです。

 

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本物なのに仕事にならない数字

 

去年こんなことがありました。
勤め先のブログで
映画『名探偵コナン 隻眼の残像』を題材に
ブログを一本書いたのです。

 

 

劇中に登場した巨大なパラボラアンテナ。
国立天文台 野辺山の45m電波望遠鏡です。

 

あのアンテナに私たちの会社が
防錆処理を施工していました。
それに関する記事です。

 

これが当たりましたねー(笑)。

ブログ公開直後から
アクセスが跳ね上がりました。

 

しかも一年経った今でも
「コナン」という言葉で検索した人が
サイトを訪れます。

 

私たちはスマホ農場を使っておらず

この数字は本物です。
水増しはひとつもありません。

 

でもコナンで検索してたどり着いた人は
ほぼ私たちの仕事のお客さんではありません。

 

私たちは鋼構造物の錆を防ぐ会社です。
映画のアンテナに感動した人と
構造物の錆に悩む人は重なりません。

 

アクセス数は本当の数字なのに

仕事にはつながらない。

 

嘘の数字よりこちらのほうが
やっかいかもしれません。

 

訪問者数は確かに伸びているのですから。

 

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母数を追うほどずれていく

 

数字と実際の乖離について

もうひとつ思い当たることがあります。
それは採用についてです。

 

採用の世界では「母集団形成」がよく語られます。

まず応募者の数を集めよ。

分母を大きくせよ。

話はそれからだ、と。

 

大きな会社ならそれでいいのでしょう。
分母が大きいほど採用に近づきます。

 

一方で中小企業はそもそも応募が少ない。
でも応募者がたった一人でもいいのです。
その一人が本当に自社に合う人であれば
それで採用は成功です。

 

世の中で「正しい指標」とされるものが

中小ではむしろ判断を狂わせます。

 

母数を追いかけるほど

本当に見るべき一人から目が離れていきます。

 

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真贋は量の外にある

 

作られた数字。
本物だけど仕事にならない数字。
追いかけるほどずれていく数字。

 

どれも量を見ているうちは真贋がわかりません。

 

中小企業が見るべきなのは

数の大きさではありません。
その中身です。

 

アクセスが何件かではなく

どんな人が来て何を読んだのか。

 

応募が何人かではなく

その一人がどんな顔で話したのか。

 

日報が何行かではなく

そこに何が書かれていたのか。

 

定量ではなく定性。
数字の桁ではなく中身の手ざわり。
そこにしか本物はありません。

 

あなたの会社が毎月見ているその数字。
それは本当に実体を映していますか。
それとも桁の大きさに安心しているだけですか。

 

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同じことを感じている方がいれば一度話しましょう。

 

 

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。