先日入ったDisney+で配信されていた
『プラダを着た悪魔2』を観ました。
そんなに興味があったわけでもなく
Disney+を開くたびに出てくるので
何気なく再生してみました・・・

前作を観たのは20年近く前です。
そのときに目で追っていたのは、
アンディとエミリーでした。
若くて、認められたくて、
前に出ようとしている側ですね。
でも今回いちばん目が止まったのは、
ナイジェルでした。

この画像の中で唯一の男性。
映画のメインキャストは変わっていません。
エミリーの立ち位置は変わりましたが、
一番変わったのは私の目線、かな。
企業オーナーの誕生日パーティーで、
アンディ(A)がナイジェル(N)に聞きます。

あんな目に遭わされたのに、
どうして彼女のそばにいるの?
ナイジェルは短く答えます。

20年前の話だ
そのあと、

それから100万回はひどい目に遭ってきた
と言い足します。
それでも辞めない。そばにいる。

少し離れて、数歩後ろから
言いながら、少し笑っています。
アンディはさらに聞きます。

表に出たいと思わないの?
本心を言うべきではないの?
ナイジェルは答えずに、問いを返します。

君みたいに? みんなのように?
この返し方が少し気になりました。
我慢している人の言葉ではないんですよね。
本心をぶつけるのが正しい
という前提そのものを疑っています。
そして、この問いに答えは出ません。
エミリーが会話に入ってきて、
場面はそのまま次に進みます。
同じ時期にミランダの下にいた3人が、
まったく違う距離感を選んでいました。
エミリーは前に出て戦います。
アンディははっきり言います。
ナイジェルは数歩後ろにいます。
エミリーはミランダの後継を
望んで、退けられました。
あなたには未来を見る目がない、と。
物語は終盤、ミラノでの場面です。
ミランダに急な用件が入ります。
でもこのあと自分の代わりに
壇上に立てる人がいないと言います。
しかし、その相手はミランダの目の前にいました。
アンディが目線でナイジェルを指します。
ミランダは一瞥したあと一度否定し、
考えを巡らせてから合点がいきます。
壇上で読むそのスピーチを書いたのは、
ほかでもないナイジェルその人でした。
アンディが伝えなければ、
ミランダは死ぬまで気づかなかった。
ミランダはこの20年ずっと、
ナイジェルの働きを見ていませんでした。
この場面を見ながら、私が以前いた会社の
2人の社員の顔が浮かびました。
話が通じやすく、理解も早い。
そういう2人の社員でした。
現場の意見をよく聞き取り、
上司の言葉を伝えていました。
そして2人とも、静かに辞めました。
会社に伝えた退職の理由は、
家庭の事情と、起業でした。
どちらも事実です。
でもそれは辞めた決め手ではありません。
私は人事も担当していたので、
辞める人には理由を聞いています。
2人が話してくれた本心は同じでした。

会社に何を言っても変わらない。
言わなかったのではありません。
何回も言い続けていました。
でも結局、何も変わらなかった。
2人が辞めたあとになって、
「あの2人が現場と上のあいだを
つないでいた」と
周りの人たちから聞きました。
たぶん当の本人たちも
自分たちがつないでいるなんて
自覚していなかったでしょう。
だから誰も報告できません。
彼らが辞めたあとに私が感じたのは、
少し殺伐とした空気でした。
彼らが現場で果たしていた役割と
現場の人間にあとから聞いた話と
私の感覚がつながりました。
社長の耳に届く退職理由は、
たいてい本当のことです。
ただ、決め手ではありません。
辞める決め手は
退職理由に現れてこないことが多い。
実は何年も前からその兆候は出ていて、
それになんの対処もしなかった結果です。
社長の手元には、
最後に聞いた理由だけが残ります。
ミランダが気づいたのは、
アンディがはっきり伝えたからです。
御社にも、数歩後ろに
立っている人がいませんか。
その人が発している情報を
しっかり受け止められていますか。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
|
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DX推進・IT活用の相談・伴走支援 組織づくり・人材育成の仕組み化 |
|---|---|
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