賃上げの話が
続いていますね。
先日のニュースです。
連合が発表した2026年春闘の
最終集計によると
中小企業の賃上げ率は
4.69%でした。
連合が掲げた6%には
2年連続で届きませんでした。
(日本経済新聞2026年7月3日)
数字だけ見れば
賃金は上がっています。
でも現場の実感は違います。
上げても足りない。
上げたのに楽にならない。
そういう声のほうが
多いのではないでしょうか。
私は採用の責任者を
かれこれ10年以上やってきましたが
採用では毎年おなじことで悩みます。
例えば高卒の新卒採用の場合。
高校生向けの求人は
初任給が20万円を超えていないと
生徒の目に触れることさえできない。
そう言われる時代になりました。
つまり生徒の目に触れることなく
もう終わっている状態に。
一方、大卒の新卒採用は
また事情が違います。
採用シーズンも終わり
新人教育の準備を始めた1月の後半に
電話が鳴りました。
入社まで三ヶ月を切った学生からの
内定辞退の連絡でした。
採用の早期化が進めば進むほど
学生を長く惹きつけ続ける力が要ります。

専任の採用担当者がいない中小企業には
これがなかなかきつい。
ナビ掲載からスカウト型に切り替えたこともあります。
学生のプロフィールを見て
自社との相性を見極めて
個別にアプローチする。
前職から数えて
七年か八年はスカウト型を続けました。
はじめの頃は
コンスタントに採用できました。
ただ時間も手間もかかりました。
そして年々スカウトメールも
効かなくなっていきました。
高卒も大卒も
入口は違いますが
出口はおなじ壁にぶつかります。
だったら初任給を上げよう。
そう考えるのもわかります。
賃上げのニュースが
どんどん背中を押してきますからね。
でも一度立ち止まってみてください。

それ、本当に初任給が問題でしょうか。
賃上げには
もうひとつの顔があります。
人件費の高騰が原因の倒産は
2022年の7件から
2025年には152件へ。
3年で22倍に増えました。
(東京商工リサーチ2026年1月発表)
上げなければ人が辞める。
上げれば原資が持たない。
どちらに進んでも
壁にぶつかります。
私は採用担当を長く務める間に
別のことを考えていました。

お金の出ていく施策に手を出す前に
まだやれることがあるのではないか。
現場改善やTOCの学びを通じて
そう思うようになっていました。
伸びしろというのは
人材育成だけの話ではありません。
会社のどこかに眠っています。
人の動き方かもしれない。
組織のかたちかもしれない。
部署と部署の関係かもしれない。
あるいは
何年も続いてきた業務の流れの中に
誰も疑わなくなった手順として
埋もれているのかもしれません。
明文化されていない
暗黙の決まりごと。
昔は意味があったけれど
今は流れを止めているだけの制約。
そういうものが
どの会社にも必ずあります。
採用がうまくいかない。
初任給が上がらない。
スカウトが効かなくなった。
どれも別々の悩みに見えます。
でも並べてみると
外から人を連れてくることに
全部の力を使っていました。
それをする前に
まだ見るべき場所があります。
設備投資も
採用も
賃上げも
どれもお金が出ていく施策です。
その前に
会社の中の流れを見る。
どこかが詰まっていれば
何人増やしても
おなじ場所で流れが止まります。
逆にここが流れ出すと
今のままでも
出せる利益が変わってきます。

御社が採用に苦しんでいるのは
本当に人が足りないからでしょうか。
それとも
会社のどこかで流れが止まっていることに
まだ気づいていないからでしょうか。
お金をかける前に
一度、流れを見てみませんか。
| 現場と経営をつなぐDX部長 村上 郁 (むらかみ かおる) |
|
| 支援内容 |
DX推進・IT活用の相談・伴走支援 組織づくり・人材育成の仕組み化 |
|---|---|
| 活動拠点 | 奈良県 |
| 営業時間 | 平日9時~18時 |
| 定休日 | 土日祝 |