今期始まった春ドラマに
「移動捜査課」という作品があります。
脚本は君塚良一氏。
我々世代ならよく知る
『踊る大捜査線』の脚本家。
久しぶりにあの作品を
思い出しました。
1997年に放送された連続ドラマを
私もリアルタイムで見ていました。
所轄の刑事・青島が
本庁のキャリア組と衝突しながら
現場で奮闘するドラマです。
「事件は会議室で起きてるんじゃない
現場で起きてるんだ」
あの超有名なセリフに象徴されるように
青島が叫び続けたのは
現場にしか真実はない
ということでした。
官僚主義・事なかれ主義への反発です。
当時のサラリーマンが
あのドラマに熱狂したのは
「自分の会社も同じだ」という
カタルシスがあったからだと思います。
事実、私もその一人でした。
ただ当時は自分がまさに
同じ構造の中にいることに
気づいていませんでした。
社会人になって最初の職場で
私は1年間ほとんど
仕事らしい仕事をしていませんでした。
毎日手が空いていました。
ふとまわりをみると
同期は次々と仕事を任され
着々と経験を積んでいました。
なぜこんなに状況が違うのか
その時はわかりませんでした。
それがわかるのは入社して1年後。
プロジェクトのリーダーが
我々メンバーを囲い込み
意図的に仕事を選り好みしていたということを。
同期がどんどん仕事を任され
成長していく中で
自分は相変わらず
指示されたプログラムを書くだけでした。

仕事を通してしか
学べないことがある。
その当たり前のことに
1年経って初めて気づきました。
焦りました。
「この場所にいてはいけない」と
直感しました。
その日から転職に向けて
動き始めることになります。
反面教師というのは
鮮明に残るものです。
「経験させてもらえなかった」という感覚は
その後の私の育成観の
土台になりました。
人は経験することで考えます。
考えることで成長します。
その順番を短絡させてはいけないと
思い続けています。
この考え方を言語化してくれたのが
エリヤフ・ゴールドラット博士でした。
著書『ザ・ゴール2』の中で
博士はこんな主旨のことを書いています。
「答えを教えてしまった瞬間
相手から『自ら発見する』という
一生に一度のチャンスを
永遠に奪ってしまうことになる」
博士がこの考え方の基盤にしたのは
いわゆる『ソクラテスの産婆術』です。
教育の目的は知識を伝えることではなく
相手が自分で考えるプロセスを
身につけさせることにある
という信念です。
先回りして答えを教える。
それは親切に見えて
実は相手の成長を
止める行為です。
「教えてあげた」と思っている側は
「考える機会を奪った」ことに
気づいていないことが多い。
私がそれを身をもって知ったのは
答えを教えてもらえなかったからでなく
経験そのものを与えてもらえなかったからでした。
あなたの組織では
「経験させること」と「答えを教えること」の
バランスはどうですか。
人が育つ組織の作り方
一緒に考えたい方はこちらへ。
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