昨日は『月曜たくらみ会』に参加。この集まりは、毎週月曜日にZOOMで気軽に1時間「制約を創造的に遊ぶ」というテーマで、いろんな事例や経験をお聞きしています。
普段、「ボトルネック」や「制約」という言葉はネガティブな意味合いで使われることが多いですが、この会ではそれをポジティブに捉え、むしろそれを活用して遊び心を持って仕事や生活に取り入れようという発想、TOC(制約条件の理論)の観点から「制約」の意味を再解釈するのが印象的です。
今回の発表では、業務効率化や人材育成について新たな視点を得ることができました。それは、アルバイトスタッフだけでビジネスを運営する仕組みを構築している事例です。この成功の鍵は、「人のせいにしない仕組みづくり」を徹底し、誰でも仕事をスムーズに進められる環境を作ることにありました。
私が一番感銘を受けたのは、環境整備の着眼点にいわゆる「ボトルネック」を活用した点です。
具体的には「一番できない人」のできないことをひとつひとつ潰していったとのこと。実はその方はこれまでどこの職場でも評価が低かったり人と衝突したりして、転々と職を変えてこられたそうです。そんな方をあえて採用し、その方が仕事で躓く石をすべて取り除いていった、その結果として、全員が働きやすい職場環境が整っていきました。
人を採用してもうまく行かないと、その人自身の能力を問題としがちですが、「人はそもそも善良である」「人のせいにしない仕組みづくり」を徹底していくと、できない理由を個人の能力に求めていることが恥ずかしくなりますね。
作業スペースの分かりにくさという「躓く石」を取り払い、どこに何があるかが一目で分かるようにすることで、ミスやロスを減らしています。例えば、必要な道具や資料が決まった場所に置かれ、使った後は必ず元の位置に戻す。こうした基本的なルールが、特別なスキルや経験を持たないアルバイトスタッフでもすぐに作業を始められる環境を作っています。
何がどこにあるか、次に何をすべきかが視覚的に分かる仕組みを導入することで、誰でもすぐ行動できるようになっています。これにより、新人や経験の浅いスタッフでも迷うことなく業務を進められ、現場全体の流れがスムーズになります。
もう一つ感銘を受けたのは、マニュアルの作成と更新をアルバイトスタッフ自身に任せている点です。現場の課題や改善点を最もよく知るのは、実際にその業務を担う人たちです。そのため、彼らが自分たちでマニュアルを作ることで、現実に即した内容になるだけでなく、主体性や責任感も育まれます。
マニュアルは、誰でも簡単に理解できる内容を心がけており、初めて業務をする人や過去にミスをしたことがある人でも、「こうすればいいんだ」と自信を持って取り組めるような仕組みです。こうしたアプローチは、ただ効率を追求するのではなく、働く人々の意欲を引き出し、組織全体の力を底上げする大きなポイントとなっています。
私自身の仕事では、効率化といえば真っ先にIT化を考えがちです。しかし、この事例を知って、ITに頼らずとも業務を仕組み化し、効率を向上させる方法があることに気づきました。ITに疎い人もいることを考えれば、デジタル化の一本やりではなく、アナログな仕組み化、視覚的・物理的な仕組みを整えることのほうが効果的な場合も多々あります。
このような取り組みは、単に仕事の効率を高めるだけではありません。整理・整頓された職場や、誰でも理解できる仕組みが整っている環境は、働く人々に安心感を与えます。そして、その安心感が仕事への意欲を高め、結果的に職場全体の活性化につながるのです。
今回学んだ「人のせいにしない仕組みづくり」や「アルバイトスタッフ中心の仕組み化」は、効率化を超えて人々の意欲や成長を引き出す素晴らしい方法でした。
特に、「一番できない人」の躓く石を取り除くということは、文字通り「ボトルネックを活かす」ことで、結果的に同じ職場で働く誰もが働きやすい環境になる。
そしてIT化だけに頼らない仕組み化を通じて、誰もが安心して働ける環境を作ること。それは、効率性だけでなく、人間らしさや温かみを大切にする組織づくりにもつながるのではないでしょうか?
ぜひ、皆さんも自分の職場における「仕組み化」について考えてみてください。
中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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ランディングページの制作支援 ITシステムの構築・運用のサポート |
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