少し前に、気になるデータを見た。
IPA(情報処理推進機構)が2025年に発表した調査によると、
従業員100人以下の中小企業でDXに取り組んでいる割合は46.8%。
半分以下だ。
※出典:IPA DX動向2025
同じ調査で、従業員1,001人以上の大企業は96.1%。
この差を見て「中小企業は遅れている」と片付けるのは簡単だ。
でも私はそう読まない。
もう一つ、別のデータがある。
中小企業基盤整備機構の調査(2024年)では、
DXに取り組んだ中小企業のうち81.6%が「成果が出ている」と答えている。
つまりこういうことだ。
「やった企業の8割は、前に進んでいる。」
「DXは難しい」「うちには関係ない」
「何から始めればいいかわからない」
そう言って動かない会社と、
とにかく一歩踏み出した会社の間にあるのは、
能力の差でも、予算の差でも、たぶんない。
「始めたかどうか」だけだ。

私には、忘れられない職場がある。
中小の製造業だった。
社員の雰囲気はもともと悪くなかった。
そこにチャットやクラウドツールを入れていった。
反対はほとんどなかった。
情報の共有が進むにつれて、
自分の担当外の領域にも、少しずつ関心が広がっていった。
Webの施策を動かすとき、全員参加の体制が取れた。
製造業なのに「動画を作ろう」という話が通った。
私が撮影して、編集して、発信した。
動画を作るとき、誰も「金にならない」と言わなかった。
「めんどくさい」という声も聞かなかった。
みんな、どこか楽しんでいた。
あの空気は、ITが職場に馴染んでいたからだと、今は思う。
「中小製造業でも、ITでここまでできる。」
そう体感できたのは、あの職場があったからだ。
その会社は後に倒産した。
ITとは別の理由で。

でも私がそこで見た「情報が流れる組織の可能性」は、
今も自分の仕事の土台になっている。
今の会社でDX推進を担っている。
中小企業の現場を、外からではなく内側から見てきた人間だ。
だから言える。
中小企業には、動けない「構造的な理由」がある。
人が足りない。時間がない。誰がやるかが決まっていない。
それは本当のことだ。
でも同時に、こうも思う。
その構造を変えるためにこそ、ITがあるんじゃないか、と。
中小企業白書(2024年版)には、こんな数字が出てくる。
DXの段階を4つに分けたとき、
「ビジネスモデルの変革」まで到達した企業はわずか6.9%。
※出典:中小企業白書2024 第7節DX
取り組んでいる企業の中でも、
本当の意味での変革はまだほとんど起きていない。
これを「まだまだだ」と読むこともできる。
でも私は「これからだ」と読む。
効率化のためにDXをやるのではない、というのが私の考えだ。
現場と経営の間にある断絶を埋めるために、
世代と世代の間にある摩擦を減らすために、
ITを使う。
情報が流れる組織になったとき、
人は本来の仕事に集中できるようになる。
それが結果として、成果につながる。
ツールを入れることがゴールではない。
「情報が流れる状態」を作ることがゴールだ。
あなたの会社は、46.8%の中にいますか?
もしまだ動いていないなら、
理由を聞かせてほしいと思っている。
たぶんその理由の中に、
一緒に解けるものがある。
| 中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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| 支援内容 |
ランディングページの制作支援 ITシステムの構築・運用のサポート |
|---|---|
| 活動拠点 | 奈良県生駒市 |
| 営業時間 | 平日9時~18時 |
| 定休日 | 土日祝 |