現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

工場の人間は、健康診断の列でも生産性を考える

LINEで送る
Pocket

先日、会社で健康診断がありました。

 

レントゲン、尿検査、身長体重腹囲の計測、血圧測定、血液検査、心電図、診察。
この順番で、一列に流れていく。

 

最初はスムーズです。
でもだんだん、ある工程から後ろが詰まりはじめる。
今回は血液採取のところから止まりました。

 

 

並びながら、職業病が出ました(笑)
「あ、ここがボトルネックだ」

 


 

TOCという考え方があります。
「制約理論」と訳されることが多いのですが、
ざっくり言えば
「システム全体の成果は、一番遅いところで決まる」
という思想です。

 

血液採取が遅ければ
その前の工程がいくら速くても
後ろに人が溜まるだけ。
健康診断の列は、教科書みたいにTOCを体現していました。

 


 

「じゃあ空いてる工程に先に行けばいいのでは?」
と思う方もいると思います。

 

でも、健康診断には順番に理由があります。
工程を入れ替えると診断の精度や安全性に影響が出る可能性がある。

 

製造工程でも同じです。
「工程の入れ替えが簡単にできる」ことの方がレアで
たいていの現場では、順序には理由があります。

 

だとしたら次に考えることはひとつ。
ボトルネックに集中して対処する。

 

 

今日の現場では、血液採取は2ブース同時稼働になっていました。
それでも詰まった。
つまり前工程(身体測定、血圧測定)の方が速い、ということです。
どんどん人が送り込まれてくる。

 


 

実際に並んでみて分かったことがあります。
血圧測定の前で5分ほど待ちました。
そして血液採取に入ったとき
「あ、この工程は時間がかかるな」と体感しました。

 

血管に針を刺して血を抜く。
やる方も受ける方も、少しピリッとする。
そういう工程は、どうしてもテンポが落ちます。
速くしろと言っても、速くできない理由がそこにある。

 


 

そこで頭に浮かんだのが「投入制限」という考え方です。

 

血液採取が1時間に処理できる人数に合わせて
健康診断に入る人数を調整する。
先に入ってしまうとその分だけ待ち時間が増えるだけなので
「そもそも列に入るタイミングをコントロールする」。

 

健康診断で誰も投入制限をしない理由は、投入制限による効果を知らないからです。
まぁそこまでシビアに健康診断の時間を短くしろっていう指示もないですから当然ですがね。
でもTOCの考え方が身に付くと、世の中のいろんなところに使えることが分かって楽しいですよ。

 

工場勤務中に健康診断を受ける意味を考えると
「なるべく短時間で終わらせて、早く現場に戻る」ことですよね。
検診の列に並ぶタイミングをずらすだけで
待ち時間は大幅に縮まる可能性がある。

 

作業員は早く終われる。
検査する側も余裕をもって対応できる。
どちらにとっても悪い話ではない。

 


 

もう一歩踏み込んで考えると
「データを持っていれば最適化できる」という話になります。

 

この出張健康診断は毎年行われていて
診断エリアの配置が年ごとに変わることがある。

 

過去の写真と「全員が終わるまでの時間」を記録しておけば
「どの順番でどの配置なら最速か」が見えてくる。
そして投入制限の効果も数字で測れる。

 

時間当たりの検診人数と現場作業人数を把握しておくだけで
現場への影響を最小限にとどめる運営ができる。

 

データがあると、感覚ではなく根拠で動けるようになります。
これは健康診断に限った話ではありません。

 


 

健康診断の列に並びながら、こんなことを考えていた私を
「職業病ですね」と笑ってもらえれば十分です(笑)

 

でも現場を持つ方なら
「あ、うちの工場でも同じことが起きてる」と
感じてもらえる場面があるかもしれない。

 

ボトルネックはどこか。
そこに集中できているか。
投入の量とタイミングはコントロールできているか。

 

この問いは、健康診断の列でも製造現場でも
同じように機能します。

 

具体的に考えてみたい方、一度話しましょう。
お問い合わせはこちら

 

LINEで送る
Pocket

お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

コメントを残す

           

現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。