現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

賃上げの前に価値上げ。採用で消耗しない会社の作り方

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2026年版の中小企業白書が
公表されましたね。

 

今年もやはり「賃上げ」が
主要テーマとして並んでいました。

 

昨年2025年の春闘では
中小労組の賃上げ率が4.65%。

 

約30年ぶりの高水準でしたが
それをさらに上回る数字です。

 

数字だけ見れば明るいニュースです。

でも読んでいて
ずっとモヤモヤが晴れませんでした。


採用のために賃上げ?順序が違う

経営者の集まりに行くと
毎回この話が出ます。

会話
賃上げしないと人が来ない
会話
同業他社に合わせないと採用できない
会話

このままでは若い人に
選んでもらえない

言いたいことはわかります。

私も前職から14年ほど
採用担当をしていますし
実際、賃金は採用の入口ですから。

 

でもずっと
引っかかっていることがあります。

 

賃金で来た人は
賃金でしか繋ぎとめられない。

 

採用できたとしても
「なぜこの会社でなければならないか」
がなければ定着しません。

 

もっと条件のいいところが出れば動く。
それだけの関係になってしまいます。

 

採用コストをかけて
採れても抜けていく。

 

そのループから抜け出せない会社を
何社も見てきました。

 

私が勤めていたある会社では
新入社員が3か月を待たずに退職。

 

給与面では当社より低い
別の会社に転職していきました。

 

退職理由はもちろん
給与面ではなく人間関係でした。

 

退職日直前にサシで飲みに行って
確認しましたので間違いありません。

 


賃上げより先に「価値上げ」を

中小企業白書には
こんな指摘があります。

 

「研究開発は短期的には効果を
見出しにくいが
中長期的な付加価値額の増加に
資する重要な取組だ」—と。

 

採用も同じ。
ポイントは付加価値額の増加
つまり「賃上げの前に価値上げ」です。

 

 

コストを削って
帳尻を合わせるのではなく
会社が生み出す価値そのものを
先に育てる。

 

その結果として
賃上げの原資が生まれる。
これが正しい順序です。

 


無理して世の中に合わせなくていい会社がある

市場水準の賃金でなくても
人が集まってくる会社は存在します。

 

面白い仕事がある。
本物の裁量が任されている。
信頼できる上司がいる。
成長できると感じられる。

 

「この人と一緒に働きたい」という
感情が生まれる会社です。

 

そういう会社に人は来ます。
そして長く居続ける。

 

賃金で来た人を
賃金で維持しようとするより

「ここじゃないとダメだ」と
感じている人を
一人でも増やすほうが
組織は強くなります。

 

数字で比較される採用市場で
無理して戦わなくていい会社は
確かに存在します。

 

価値上げを目指すほうが
結果的に強い組織になります。

 

同じく私が過去に勤めていた
別の会社は
特に給与が高いわけでも
ありませんでしたが

 

採用のプロジェクトチームを作り
各部署から集まったメンバーで
手作りの採用プレゼンを
していました。

 

入社を決めてくれた子に
その理由を聞くと

皆さんがとても仲が
良さそうだったから。

とのことでした。

 


では、具体的にどうするか

 

会話

それはわかった。
で、具体的にはどうすればいいんだ

経営者が次に思うのはここです。

 

私ならTOCとMGをお勧めします。

 

TOC(制約理論)は
会社の中で
ボトルネックになっている
一点を特定して
そこに集中する考え方です。

 

やみくもにあれこれと
改善しようとするより

 

ボトルネックの一点に
対処するほうが
効果がはっきり目に見えます。

 

MG(マネジメントゲーム)は
経営のダイナミズムを
ゲームを通じて
体で覚える研修です。

 

この二つに共通しているのは
経営層と社員層が
共通言語を持つことができる点。

 

経営者が見ている景色と
現場が見ている景色は
そのままでは一致しません。

 

だから断絶が生まれる。

共通言語ができて初めて
その断絶は埋まります。

 

賃金を上げる前に
まず会社の中で
言語を揃えることが先決です。

 


あなたの会社は何で人を引きつけていますか

あなたの会社は今
何で人を引きつけようとしていますか。

 

賃金ですか。

それとも
賃金以外の何かですか。

 

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。