現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「急に具合が悪くなる」——カンヌ映画祭と私の月曜日が重なった日

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先週の日曜日の午後
私は急に具合が悪くなりました。

 

文字通り「急に」です。
前日まで何ともなかったのに
夕方から熱が上がりはじめ
翌月曜日は会社を休みました。

 

体調が戻りかけた4月9日(木)
こんなニュースが目に飛び込んできました。

 

濱口竜介監督の新作映画
「急に具合が悪くなる」が
カンヌ国際映画祭の
コンペティション部門に選ばれた——。

 

(笑)タイミングが良すぎます。


この映画の原作は
哲学者と人類学者が交わした
10通の往復書簡です。

 

乳がんの転移を経験した
哲学者・宮野真生子が
主治医から告げられた言葉が
そのままタイトルになっています。

 

「急に具合が悪くなるかもしれない」

 

最初は「予告」だったその言葉は
書簡が進むにつれて
最後には「現実」になりました。

 

宮野さんは本の出版を待たずして
亡くなりました。

 

そして最後の書簡で
彼女はこう結んでいます。

 

「なんて世界は素晴らしいのだろうと
私は愛おしさを感じます」


私は哲学の専門家ではないので
この本の内容を深く語れるわけでは
ありません。

 

ただこのタイトルを見たとき
自分の体験と
もうひとつ別のことが
頭の中で重なりました。


業務は止まらなかった。でも情報は止まっていた

私は今の会社でひとり部署です。

 

月曜日に休んだとき
職場の業務はほとんど
影響がありませんでした。
それは良かったと思っています。

 

でも復帰した翌日
私の机には伝言メモが
山積みになっていました。

 

電話があった。
確認を求める書類があった。
返事を待っている人がいた。

 

業務は止まらなかった。
でも情報は止まっていました。


人が動いているのと
情報が動いているのは別のことだ

私がDXを推進したいのは
効率化のためではありません。

 

情報が止まること自体が
組織のリスクだと考えているからです。

 

情報は企業の血液です。
流れが滞れば判断が遅れ
関係が壊れ
信頼が失われます。

 

ひとりが倒れただけで
情報が山積みになる状態は
「業務が回っている」とは言えません。

 

「人が動いている」のと
「情報が動いている」のは
別のことです。

 

この違いは
実際に休んでみるまで
気づきにくいものです。


「急に具合が悪くなる」のは
人だけではありません。

 

キーパーソンが抜ける。
ベテランが辞める。
担当者が異動になる。

 

そのたびに情報が止まる組織は
常に綱渡りをしています。

 

誰かが休んでも
情報だけは流れ続ける状態をつくること。
それがDXの本当の目的のひとつだと
私は考えています。


宮野さんは体調が悪いにもかかわらず
研究イベントに出かけ
磯野さんと偶然出会いました。

 

「合理性を手放すことのスリル」と
彼女は書いています。

 

私は熱で布団の中にいながら
その言葉が妙に刺さりました。

 

体は休めました。
でも情報は休めませんでした。

 

それは組織の話であり
私自身の話でもあります。


急に具合が悪くなっても
情報だけは流れ続ける組織をつくる。

 

それは「もしもの備え」ではなく
毎日の積み重ねでしかできないことです。

 

「うちの情報、ちゃんと流れているか?」
そう思った方に、読んでほしいページがあります。

 

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現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。