現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

東京都「A1(えいいち)」が教えてくれたDXの本質

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東京都「A1(えいいち)」がやろうとしていること

「えーわん?」

 

最初そう読みました。
よく見たら「えいいち」でした。

 

どこかで聞いた名前だなと思ったら
渋沢栄一と掛けているそうです。

 

4月9日に東京都が正式発表した
職員約6万人向けの
生成AI共通基盤です。

 

(出典:東京都プレスリリース
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/04/2026040920


なぜ既存ツールを使わなかったのか

発表資料を読んで
最初に浮かんだ疑問。

 

「kintoneでよくないか?」

 

kintoneもノーコードで
業務アプリが作れます。

 

現場が自分で設計できる点は
よく似ています。

 

でもA1(えいいち)は
生成AIを「中身」に使っています。

 

kintoneは
データやワークフローを
整理するための基盤です。

 

A1(えいいち)は
「職員が業務課題に対して
AIに問いを立てられる仕組み」

 

を作るための基盤です。

 


東京都が独自開発を選んだ理由

ぶっちゃけ、ChatGPTやCopilotを
全員に配れば済む話では
なかったのでしょうか。

 

そうしなかった理由が
資料の中に透けて見えます。

 

行政の仕事は「誰が何のために使ったか」
という説明責任が
民間より厳しく問われます。

 

外部サービスに乗せるだけでは
情報の管理も品質の保証も
十分に担保できません。

 

だから内製を選んだようです。

 

さらに踏み込んでいるのは
「庁内で共有し他の自治体にも展開する」
という発想です。

 

ツールを買うのではなく
組織の財産として育てる。

 

 

ここに東京都の本気が
見えますね。


本当の勝負はここからです

まだ本格運用が始まったばかりで
成否を判断するのは早いです。

 

約6万人のうち
実際に日常使いする職員が
どれだけいるか。

 

作られたアプリが
現場で継続して使われるか。

 

これからが本当の勝負です。

 

私自身、IT導入に関わってきた経験から
痛感していることがあります。

 

ツールが使われるかどうかの鍵は
「利用者にとっての
使う理由があるかどうか」。

 

管理者として
「これは絶対いい」と確信して
導入推進したものほど

 

あまり使ってもらえない。

 

逆に「これで自分の仕事が楽になる」
と利用者が実感できた仕組みは
無理強いしなくても使われます。

 

A1(えいいち)が6万人に
定着するかどうかも
結局この一点にかかっています。

 

ノーコードで作れる仕組みを渡すことと
現場が使いたくなる仕組みを作ることは
別の話です。


情報が流れる組織を作るということ

「利用者に使う理由があるか」を
突き詰めていくと
もうひとつの問題に行き着きます。

 

組織の中では
聞きたくても聞けない場面が
日常的に起きています。

 

仲が悪い相手とは
面と向かって話せません。

 

すぐ怒る人には
聞けません。

 

こうした不要な摩擦が
情報を止めています。

 

情報は企業の血液です。

 

流れが止まれば判断が遅くなります。
誤った情報が流れれば
現場が間違った動きをします。

 

ITで摩擦を減らし
情報の流れを速くする。

 

これが私の考えるDXです。

 

東京都がA1(えいいち)で
やろうとしていることも
根っこは同じだと思っています。

 

スケールは
比べものになりませんが。


あなたの会社の情報は
流れていますか

現場から経営に
情報が届いているでしょうか。

 

経営の判断が
現場に届いているでしょうか。

 

その流れを作ることが
DXの本当の仕事だと
私は思っています。

 

あなたの会社の情報の流れ、
一緒に整理してみませんか。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。