現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

あなたの会社の出塁率は何ですか——マネーボールから学ぶ、見方を変える勇気

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第98回選抜高校野球大会(センバツ)が
始まっていました。

 

 

奈良在住の私は
「智弁学園を応援するんでしょ?」
と会社でも言われましたが・・・

 

正直に言います。
私、野球に興味がありません。

 

そんな私がアマプラで
「マネーボール」を観たのは
AIに激推しされたからです。

 

ビジネスに効く映画を聞いたら
真っ先に返ってきました。

 

これは実話に基づく映画です。

 

2002年のオークランド・アスレチックス。
メジャーリーグの中でも
極めて予算の少ない球団が
当時の野球界では異端の手法である
データ分析だけを武器に
プレーオフまで勝ち進んだ物語。

 

野球映画か、と思いながら観始めて
気づいたら止まれなくなっていました。

 

これは野球の話じゃありません。
経営の話でした。

 

データより先に人間ドラマがありました

この映画で私が
まず目を引かれたのは

データ分析、ではなく、

 

球団GMのビリーに見いだされた
エール大卒の若い分析担当
ピーター・ブランドが
少しずつ変わっていく場面でした。

 

ビリーがピーターに
選手へのクビの宣告を
練習させるシーンがあります。

 

「自分にはできない」と断るピーターに
「一発で即死と、じわじわ殺されるの、
(お前が選手なら)どっちがいい?」
と聞くビリー。

 
そして選手に同行するようになり、
選手への宣告もするようになる。

 

ピーターはためらいながらも動きます。

 

ビリーが独断で進めるトレードに
戸惑う監督から
「君も賛成したのか?」と問われて
ポケットに手を入れたまま
「ええ、100%」と答えます。

 

あの緊張感。
認めてくれる人に
引っ張り上げられていく感覚。

 

 

私はその場面を観ながら
「認めてくれる人への憧憬」という言葉が
頭に浮かびました。

 

私はピーターでした

ひとり情シスとして現場に入ると
こういう場面は珍しくありません。

 

データがあります。
分析があります。
改善の筋道も見えています。

 

でも現場には刺さりません。
ベテランの工場長には
相手にもされません。

 

 

持っているだけじゃだめ。
使わなければ、無いのと同じです。

 

ピーターも同じでした。
どれだけ優れた分析力を持っていても
ビリーが見出して使い倒さなければ
ただの数字マニアで終わっていました。

 

監督は動きませんでした

映画の中でビリーが何度指示を出しても
現場の監督は選手起用を変えませんでした。

 

ベテランの経験と直感が
データより正しいと信じていたからです。

 

これを観ながら
思い当たる顔がいくつか浮かびました。

 

若手社長が方針を出す。
でもベテラン工場長は動かない。

 

「長年の経験」という鎧を着た人間に
論理は簡単には届きません。

 

GMであるビリーはどうしたか。
 
ピーターの分析結果に従い
戦力外と判定された選手を
情け容赦なく入れ替えました。

 

感情ではなく論理で動いた。
そこまでやって初めて
現場が変わり、チームは動き出しました。

 

見方を変える勇気

データ分析が正しかったかどうかより
私がこの映画で考えたのは
「見方を変える勇気」の話です。

 

ビリーは弱者の戦略として
データを使ったわけじゃありません。

 

「強いチームと同じ土俵で戦わない」
という決断が先にありました。

 

データはその決断を
支える道具でした。


あなたの会社の「出塁率」は何ですか?

 

長打力や打率じゃなく
出塁率に着目したことで
アスレチックスは変わりました。

 

あなたの会社が本当に見るべき指標は
売上でも利益率でもなく
別の何かかもしれません。

 


ただしこのデータ分析手法も
そう長くは続きませんでした。

 

なぜ優位性は失われたのか。
その理由は後日、書きます。


ちなみにこの記事を書くまで
今日、3月31日が
高校野球の決勝戦だということも

 
智弁学園(奈良)と大阪桐蔭(大阪)が
決勝で当たることも
知りませんでした。

 

私は大阪出身で今は奈良在住。
奥さんは奈良の人です。

 

さあ、どちらを応援したものか。

 

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。