現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

建前は嘘じゃない。でも誰にも届かない。

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先日、採用ナビサイトの担当者と
オンラインで打ち合わせをする
機会がありました。

 

テーマは
「思ったほど成果が上がらなかった
理由の分析」。

 

担当者が口にした原因は
「学生にとっての画面の魅力度が
伴わなかった」というものです。

 

画面の向こうで担当者が話し続けている。
私はただ、話の軸がずれていると
感じていました。

 


 

今の就活は大学3年生の夏が
メインイベントです。

 

採用支援を専門にしている知人から
直接聞いた話では
3年生の8月には就活を終えている
学生が多いといいます。

 

内定をもらった後
「他にもっと良いところはないか」
と比較のために動き続けているだけだと。

 

そのナビサイトが「早期スタート」として
追加料金で提供しているのは
3年生の9月や10月からの対応でした。

 

就活生にとっての山は
もうとっくに越えています。

 


 

このことを担当者に伝えました。

 

返ってきた言葉はこうでした。

 

「我々大手ナビサイトとしては
国や経団連の採用スケジュールを
自ら壊すような動きはできず・・・」

 

言葉は濁りました。

 

実態が伴わないところで
どんな分析をしても
何をやっても意味がない、と
静かに思いました。

 


 

ナビサイトの担当者を責める気は
ありません。

 

同じことは、会社の中でも
起きています。

 

経営者がステークホルダーに向けて
語る言葉は
本人にとっては事実だし本気です。

 

でもそれを聞いた社員は
どう受け取るか。

 

「またそんな上っ面なことを」
「どこの現場にそんな高邁な理想が
落ちているのか」

 

そう思う社員が一人でもいたとしたら
その言葉はもう届いていません。

 

採用に関わってきた経験から言えば
募集文面と現場の実態が
完全に一致している会社には
まだ出会ったことがありません。

 

「働きやすい職場」
「先輩が付き添って指導」
「初心者も安心」

 

経営者としては本当にそうしてほしいと
思っています。

 

でも現場では
新人が来る日もその前の日も
仕事は何も変わりません。

 

人が増えるだけ。
むしろ教える手間が増えるだけ。

 

社員が自分の目の前のことしか
見えていないときによく起きることです。

 


 

外に向けて発信する建前と
内側で社員が見ている景色のズレ。

 

採用ナビサイトの担当者の言葉と
まったく同じ構図がそこにあります。

 

「建前」は嘘ではありません。

 

でも実態と離れた建前は
誰にも刺さらない言葉になっていく。

 

建前の上に積み上げたものは
実態が変わった瞬間に崩れます。
私はそれを何度も見てきました。

 


 

採用や組織の現状を
一度整理したい方、お気軽にどうぞ。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。