現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「見えてる景色が違うだけ」─社長と社員がズレる本当の理由

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あるクライアント企業さんで
近々「視座の共有」をテーマにした研修があるそうです。

 

社長と社員の“目線を揃える”のが目的。

 

素晴らしい取り組みやなと感じる一方で
こんな話も聞きました。

 

「社長は“答えは教えない、自分で考えろ”って言うんです。
でも、社員とはけっこう意見が食い違うんです」

 

このギャップ、実は中小企業あるあるやと思います。

 

でもここを放っておくと
せっかくの経営理念や戦略も
現場には届きません。

 

今回は「視座を共有する価値」と
「社長と社員の立場の違い」について考えてみます。

 

まず、視座とは何か。

 

「物事を見る高さ」のこと。

 

たとえば、山のふもとから見る景色と
頂上から見る景色はまったく違います。

 

社長が頂上から
「向こうに川があるから、そっちに行こう」
と言っても、
ふもとにいる社員からは川は見えません。

 

つまり
社長と社員の“見ている風景”がそもそも違う
ということです。

 

ここで大事なのは、
どちらが正しいかではなく
「見ている景色が違うから、考えも違って当然だ」
とまず理解すること。

 

そうすれば、お互いに責め合うのではなく
「どうしたら同じ景色を見られるか?」
という対話が始まります。

 

TOC(制約理論)では
全体最適を考えるときに
「ボトルネックの見極め」が重要になりますが、
これは視座にも通じます。

  • 社長は、会社全体を設計する責任がある人
    だから俯瞰で物事を捉える必要がある。
  • 社員は、現場で実行する責任を持つ人
    だから現場のリアルを重視する。

この関係性がうまく機能するためには
MG(マネジメントゲーム)などを活用して

社員にも一度“社長の景色”を
体験してもらうのが非常に効果的です。

 

実際、私が参加したMGでも
その場を体験した社員さんが
「経営ってこんなに悩ましいんですね」
と口を揃えて言うようになります。

 

そしてそれをきっかけに
対話の質がガラッと変わるんです。

 

「自分で考えろ」も大事な教育方針です。
ただし、それが独りよがりに
なっていないかも確認したいところ。

 

社員が「何を考えたらいいか分からない」
と悩んでいるのに、
「とにかく自分で考えろ」とだけ言うのは
時に無責任にもなりかねません。

 

考える“フレーム”を提供することが、
経営者の役割のひとつ
やと思います。

 

TOCであれば「制約に集中しろ」、
MGであれば「利益構造を理解しよう」、

 

そんな明確な視点を共有することで
社員が“考えやすく”なる環境を
整えることができるのです。

 

経産省の「未来人材ビジョン」

https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001.html
でも「対話を通じた組織変革」が
重要だと述べられています。

 

つまり、トップダウンではなく
**共に考えるプロセスそのものが価値**
だということです。

 

視座を共有することは、
会社の文化を変える第一歩です。

  • 社長は「頂上からの景色」を、社員にどう伝えるか
  • 社員は「ふもとのリアル」を、社長とどう共有するか

この両方の視点が交わることで
組織全体が同じ地図を持って
動けるようになります。

 

私自身も、DXを通じてこの
「視座の共有」に何度も挑戦してきました。

 

だからこそ、クライアント企業の取り組みに
心からエールを送りたいと思います。

 

「うちでも視座の共有、始めてみたい」
と思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

研修設計やMG導入、TOC思考の
社内浸透について知りたい方は
お気軽にお問い合わせください。

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。