現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

「考えるな、行動しろ」―それ、準備が終わった人の言葉ですか?

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3月20日、連休初日の夜。
特に予定もなく ひとりでAmazon Prime Videoを開きました。

目に入ったのが『トップガン マーヴェリック』。
「まあいいか」とそのまま再生したら
最後まで観てしまいました。


何度目かわからない鑑賞なのに
やっぱり刺さるセリフがあります。

 

 

「Don’t think, just do.」
――考えるな、行動しろ。

このセリフ、昭和の職場でも何度も聞きました。
でもマーヴェリックの言う意味とは
まったく別物だと思っています。


製造現場でこんな場面を何度も見ました。

 

若手が「なぜですか?」と質問する。
答えられない上司がイライラしてこう言い放つ。

「頭じゃわからん、手を動かせ」

 

似たような言葉は他の場面でも出てきます。

 

「どうせ読まないからマニュアルなんて
作っても無駄だ」

 

でもそれは準備を放棄する言い訳に過ぎません。

マニュアルがなければ作業は標準化できず
引き継ぎも継承も難しくなり
仕事は特定の人間にしかできなくなっていく。

 

「読まないから無駄」なのではなく
「準備を整えない言い訳」として
使われているだけです。

 

 

あれは指導じゃない。
言語化できない人間の言い訳でした。


マーヴェリックの「Don’t think, just do.」は逆です。

あの言葉が出てくる文脈を
思い出してほしいんです。

 

極限まで準備して
何百回もシミュレーションを積んだ人間が
いざという瞬間に
「考えを手放せる状態」のことを言っています。

 

 

準備が完了しているから考えなくていい。
動けるだけの根拠がもうそこにある。

 

だから「Don’t think」が成立するんです。


根性論の「考えるな」は準備を省略させる言葉。

 

マーヴェリックの「考えるな」は
準備が完了した人間だけに使える言葉。

 

同じセリフがまったく逆の意味を持ちます。


これ、職場でのIT活用や業務改善にも
当てはまると思っています。

 

「とりあえずやってみろ」とだけ言って
ツールを現場に丸投げしてしまう。

ルールも教育もフォローもない。

 

現場は戸惑い、ツールは使われず
「やっぱりDXは難しい」と結論が出る。

 

あれも準備を省略した根性論と
構造は同じです。

 

「なぜこのツールを入れるのか」
「どう使えばいいのか」
「困ったときは誰に聞けばいいのか」

 

この問いに答えられる状態にしてから
初めて「あとはやってみよう」が言えます。


あなたの職場に「とにかくやれ」と言う人がいるなら
一度心の中で聞いてみてください。

 

その人は本当に、準備が終わっていますか?

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。