現場と経営の断絶を解く。
中小製造業のDX部長が書き続けるブログ

飛べるのに飛べない組織と、デッキブラシの魔女

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昨夜、魔女の宅急便観ましたか?
私は観ました!
何度観ても飽きませんね。

 

いきなりですが終盤のあの場面。
トンボ少年が飛行船に
ぶら下がっているシーン。

 

キキは魔法が使えない。
でも飛び出しました!
デッキブラシを掴んで!!

 

観終わってから
ずっと考えていました。

 

なぜキキは最初、
誰にも必要とされなかったのか。


 

 

「飛べる」のに、仕事がない

キキは空を飛べます。
トンボ少年が飛ぶことに
あこがれているのとは対照的に
いとも簡単に飛びます。

 

これはキキの唯一にして
アイデンティティともいえる能力。

 

でも街に来た当初、
誰にも求められません。

とにかくヒマ。

 

当たり前です。
「空を飛ぶ魔女」は
街の人にはただの異物です。

 

これ、DX推進の現場で
毎回起きていることと
まったく同じ構造。

 

 

 

前職で聞いた話があります。

 

生産管理システムが導入された。
一説にはそのシステム開発に
1,000万円かかったそうです。

 

でもけっきょく現場では
使われませんでした。

 

現場の声を聴かずに
構築されたから
とにかく使いにくかったと
あとで聞きました。

 

わたしがその会社に
入る前の話です。

 

笑えません。

 

今も同じことが
日本中の現場で
起きています。

 

技術があることと
それが価値になることは
まったく別の話です。

 

ここを混同したまま
ツールを入れようとしても
現場は静かに無視していきます。

 

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キキが売ったのは魔法じゃない

今回この映画を観て
わたしが感じたのはここです。

 

キキは「魔法」を売らなかった。

 

「大切なものを届ける」を売りました。

 

街の人が困っていた
「頼める人がいない」という
不便に接続したんです。

 

魔法はあくまで手段。
届けることが価値でした。

 

 DXも同じです。

「このシステムで何ができるか」
ではなく

「あなたの現場のどこが
詰まっているか」

 

そこから入らないと
どんな優れたツールも
機能しません。

 

キキは技術起点で
売り込もうとしませんでした。
課題起点で接続しました。

 

だから街に根を張れたんです。

 

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飛べなくなった、本当の理由

物語の中盤、
キキは魔法が使えなくなります。

 

よくある解釈は
「思春期のスランプ」です。

 

でもそれだけじゃない。

 

キキは「飛べる自分」と
「必要とされる自分」を
混同してしまいました。

 

飛べることが自分の価値。
飛べなくなると
自分が消える気がする。

 

この感覚、分かる人には
分かると思います。

 

DXを引っ張る立場の人間ほど
ここに陥りやすいです。

 

ITに詳しい。
AIを使える。
変革を進められる。

 

「自分の存在価値=
変える能力」
になった瞬間に折れます。

 

組織が変わらないのは
自分だけのせいじゃない場面が
山ほどあります。

 

でもそれが見えなくなる。

 

キキが飛べなくなったのは
能力が落ちたからじゃない。

 

何のために飛ぶのかを
見失ったからです。

 

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デッキブラシで飛ぶということ

一番の山場、ラストシーン。
キキは完璧には飛べていません。

 

不慣れなデッキブラシで
必死で
ギリギリで飛びます。

 

スマートじゃない。
美しくもない。

 

でも届きました。

 

ここに
社会実装の実相があります。

 

完璧なシステムを待つより
動ける現場を先に作る。

 

理想のツールが揃うまで
待ち続ける組織に
変化は来ません。

 

DXとは
技術を導入すること
じゃありません。

 

技術を現場の文脈につなげ
人と組織が動き出すことです。

 

キキが「魔女の宅急便」として
街に受け入れられたようにね。

 

技術が社会に接続された
その瞬間が
社会実装です。

 

不格好でいい。
ギリギリでいい。

 

その場にあるもので
まず飛ぶ。

 

それ以外に
社会実装の入り口はありません。

 

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あなたの会社の
デッキブラシは
どこにありますか。

 

「完璧なほうきが来たら」と
まだ待っていませんか。

 

まず現状を整理したい方、
お気軽にどうぞ。
お問い合わせはこちら

 

 

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お問い合わせ

現場と経営をつなぐDX部長
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 DX推進・IT活用の相談・伴走支援
組織づくり・人材育成の仕組み化
活動拠点 奈良県
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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現場と経営をつなぐDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

「ITを入れたのに、現場が動かない」——
その声を、製造業の中から
聞き続けて10年以上。

C言語エンジニアから
起業・倒産・再就職を経て、
今は中小製造業のDX部長として
現場と経営の橋渡しを
実務でやっている。