
近年、塗装業、建設業、製造業など――かつて“花形”だった現場職が「3K(きつい・汚い・危険)」と揶揄され、人材確保が極めて困難になっています。
多くの中小企業では、高齢の熟練工が第一線で働き続け、その背中を継ぐ若手が現れない。そんな現場が日本中に存在しています。
市場原理に任せれば、社会に必要とされない企業が淘汰されるのは当然――そう考える向きもあります。
しかし今、私たちが失おうとしているのは**「必要とされない企業」ではなく、「必要なのに継承されない技術」**です。
社会インフラの維持、防食技術、特殊塗装、高所作業――これらは決して代替の効かない“生活を支える技術”です。
しかも、災害復旧や大型インフラの老朽化対策といった“国家的課題”の最前線にあるにも関わらず、
それを担う人材がいない。継承する手立てがない。
これは単なる企業経営の問題ではなく、社会全体のサステナビリティに関わる構造的な問題です。
この構造を変えるには、もはや“人任せ”では足りません。
ベテランの「勘」や「経験」に頼るのではなく、それを形式知として蓄積し、誰でも学び、活用できる状態にすること――すなわち、DXと人材育成の融合が不可欠です。
「技術は人がいないと守れない」という時代から、「技術を守るためにこそ、人が育つ仕組みを持つ」時代へ。
それは単なるIT導入ではありません。**技術が失われない社会、支え手のいる未来をつくる“社会的責任”**であり、中小企業の生き残り戦略そのものでもあります。
次回は、具体的に「仕組み化によって属人化を解消し、若手が入りやすくなる現場づくり」について掘り下げます。
中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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支援内容 |
ランディングページの制作支援 ITシステムの構築・運用のサポート |
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活動拠点 | 奈良県生駒市 |
営業時間 | 平日9時~18時 |
定休日 | 土日祝 |