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「予約したのに待たされる」? 予約システムをTOCで読み解くDXの罠

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“制約を減らすはずの予約”が、逆に混乱を生んでいた

2025年大阪関西万博のテストラン、思い返しても刺激的でした。
東ゲートからの入場は、事前予約のおかげか30分程度でスムーズに通過。これは「さすがに計算されてるな」と感心した場面。

 

 

でもその後、パビリオン予約では思わぬ“詰まり”に出くわします。
私が事前予約していた某パビリオンでは、「予約時間に来たのに40分待ち」→「中でまた10分待ち」という状態。

 

 

「え、予約したのにこれって…」という、軽い戸惑いが広がっていたのは確かです。

 

TOCの視点から考える、「待ち時間の使い方」

TOC(制約理論)では、組織やシステムの中で「どこが流れを止めているか?」=制約を見つけ、それをどう活かすかがポイントです。

万博の予約システム自体はよく設計されていたと思います。実際、入場にはスムーズに連動していました。ただ、パビリオン前では「待つ」場面が必然的に生まれる。
ここで注目したいのは、「待ち時間」そのものを制約と捉えたときに、どう付加価値を加えられるかということです。

たとえば、

– パビリオンの内容紹介
– 建設過程の映像
– 音声ガイドや展示の裏話
– 参加型コンテンツやミニクイズ

こうした仕掛けがあれば、“待つ”から“楽しむ”への転換が可能になります。

実際、待ち列の前に小型のデジタルサイネージがあり、パビリオンの紹介や注意書きが表示されていました。
でも、これが「前方の一部の人しか見えないサイズと配置」だったのが本当にもったいない。

 

 

TOC的に考えれば、制約がまさに目に見える状態だったんです。

 

待機時間を“体験の一部”に変える組織デザイン

ここから得られる教訓は明快です。

> 「待つ時間=ロス」ではなく、「待つ時間=価値創出のチャンス」

これは製造業でもサービス業でも同じ。
たとえば飲食店の待ち列でメニューを見せる、セミナー会場で講師紹介の動画を流す――これらすべて、制約を“顧客体験の場”に変える工夫です。

TOCの基本である「制約を活かす」という考え方は、こういう“気付きのデザイン”にも活きてきます。

 

提案:「TOCダイスゲーム」のススメ

ここで、私からの提案です。

もし万博スタッフ全員が、事前に「TOCダイスゲーム」を体験していたらどうだったでしょうか?

TOCダイスゲームは、変動とボトルネックをシンプルに体験できる学習ツール。
「どこが詰まっていて、それが全体にどう影響するのか?」を感覚的に理解できるのが最大の魅力です。

今回のテストランで現れたような「現場の小さな混乱」も、TOC的な視点をスタッフ全員が持っていたなら、一つひとつに改善のヒントが見いだせたんじゃないかと感じました。

 

「予約システム」も“流れ”で捉えよう

予約は「時間をコントロールする」便利な仕組みですが、それ自体が目的になってしまうと危険。
TOCの視点では、「予約後の動線や処理の流れ」まで含めて、はじめて一つの設計です。

そして、もしその途中で“待ち”が発生するなら、それをポジティブな体験に変える工夫をする。
それが、人が働き、訪れ、関わるすべての場において価値を最大化する組織デザインの要になると私は思っています。

「自社の待ち時間、活かせてますか?」という問いから始めましょう

受付、商談、採用、製造…
「待ち」の場面があるなら、そこにTOC的視点を導入するだけで、組織のパフォーマンスは確実に変わります。
ダイスゲームなどを使った社内ワークショップにも対応していますので、興味のある方はお気軽にご相談ください!

 

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お問い合わせ

中小製造業専門のIT参謀
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 ランディングページの制作支援
ITシステムの構築・運用のサポート
活動拠点 奈良県生駒市
営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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中小製造業のDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

17年間IT業界に身を置き
2012年製造業のWeb担当に転身。

2020年から新免鉄工所のDX事業部にて
社内外のDXを推進中。