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【番外編】「昔はこうだった」は通用しない――科学が否定した昭和的教育と現場の未来

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「自分たちは怒られて育った。だから今の若い子にも厳しく接するべきだ」
中小企業の現場やベテラン経営者の口から、今もたびたび聞こえてくる言葉です。
その背景には、過去の成功体験と、責任感からくる「育てなければ」という想いがあるのでしょう。

しかし今、この昭和的な教育観は、科学的にも倫理的にも明確に否定されています
なぜなら、怒りや体罰、恐怖に基づく教育は、人を育てるどころか、萎縮させ、成長を止めてしまうからです。


🔬 科学が示した“怒鳴る教育”の限界

分野 科学的結論 解説(日本語訳)
教育心理学 攻撃性が増し、学習効果は低下する 叱責や体罰は「恐怖で従う」行動を一時的に生むが、長期的には反発や無気力を育む(アメリカ心理学会 2019)
脳科学 脳の成長に悪影響を及ぼす 幼少期から怒鳴られ続けた子の脳は、恐怖に過敏に反応するようになり、判断力や感情制御力が低下する(ハーバード大研究 2011)
行動科学 正の強化(褒める)の方が持続性が高い スキナーの実験でも「罰よりも報酬のほうが行動は続く」と結論づけられている(1953年)

📊 図解案:教育アプローチ別 成果の比較(参考)

教育方法 短期効果 長期効果 結果
怒鳴る・叱る △ 行動抑制 × 無気力・反発 負のスパイラル
放任・無関心 × 放置される × 成長せず離職 無責任な放置
共感×期待(心理的安全性) ○ 話し合い ◎ 自律と定着 最も成長につながる

🧩 昭和の教育を否定するのではなく、「進化させる」

ここで重要なのは、昭和の教育を一括りに否定することではありません
「礼儀」「継続」「責任感」など、当時大切にされていた価値観には、今も学ぶべき点があります。

しかし、それを**「恐怖と怒り」で伝えるやり方」では、もはや通用しない**のです。

「自分たちが受けた教育は、本当に“人を育てていた”のか?」

この問いに、経営者自身やベテラン自身が向き合うことが、次の世代に道をつなぐスタートラインになります。


🔁 若手が育つ会社へ――変化する“育て方”

  • 怒鳴る代わりに「伝える力」を磨く

  • 経験を背中で見せるだけでなく「仕組み」として残す

  • 「やって見せて、やらせてみて、ほめて認める」文化へ

これこそが、令和の現場で機能する育成の在り方です。

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中小製造業専門のIT参謀
村上 郁 (むらかみ かおる)
支援内容 ランディングページの制作支援
ITシステムの構築・運用のサポート
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中小製造業のDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

17年間IT業界に身を置き
2012年製造業のWeb担当に転身。

2020年から新免鉄工所のDX事業部にて
社内外のDXを推進中。