vol.890
当社では今、
日本ツクリダスさんの
生産管理システム
M:net(エムネット)を導入中。
導入中とは
どういう段階かというと
入れ物は出来た段階です。
生産管理システムを
新たに導入する場合、
まず大変なのが
業務の流れに
システムを合わせるのか、
システムに
業務の流れを合わせるのか
という問題。
どの会社でも
独自の業務の流れ
があります。
言ってみれば
家庭内では常識でも
友達の家でも同じか
というと決してそうではない
ということ。
例えば寝るのは
ベッドか布団か
だけでも違うでしょ。
晩御飯の時、
お茶もお水も飲ませない
家庭もあれば、
必ず漬物やキムチなどが
添えてある食卓もある。
真昼間っからビールを
飲む家もあれば、
日中のアルコールなんて
考えられないっていう家もある。
食事にトイレにお風呂。
同じように人間が
生活しているのに、
家の内と外では全く違う。
自分の常識は
他人の非常識
とはよく言ったもので。
会社でも一口に
生産管理といっても
現場と管理部門が
きっちり分かれている
ところもあれば、
兼任に次ぐ兼任で
もはやつぎはぎ?
みたいなところもある。
紙がたくさんの
事務所もあれば、
パソコン以外
何もないオフィスもある。
なので生産管理を
システム化しようとするとき
ツールの選定で
まず迷うんですよね。
自社のやり方に
一番近いのを選ぶか、
自社とはやり方が違っても
これぞ生産管理!
って思えるものを選ぶか。
海外では良いものは
積極的に取り込むようで、
いろんな企業の成功事例が
詰め込まれたツールを
できるだけそのまま使い、
成功事例に自社を合わせる。
これ、合理的ですね。
対して日本は
よそはよそ、自社は自社
と言わんばかりに、
自社用にカスタマイズ
つまり改造したがる
傾向にあります。
その結果、導入までに
時間もお金もかかり、
そこで精魂尽き果てる。
昔たくさん経験しました(笑)。
そんな経験をたくさんした私が
「これ、いいやん!」
と思ったのがこのM:net。
データベースに詳しい人なら
驚くと思いますが、
リレーショナルでない
んですよね。
正規化されてない
テーブルがたくさん。
例えばA社についての情報、
公式HPのURLや担当者名などは
一度入力したらそのあとは
その情報を生産情報に
紐づけるだけでいいのが常でした。
つまり同じ情報は
二度入力しなくて済む。
でもこのM:netの仕組みは
紐づかないので
毎回会社情報を入力する。
これ、一見すると
めんどくさい。
何度も同じ情報を
入れないといけないじゃん、
入力し間違えるかも
しれないじゃんって思います。
でもこの考え方こそ日本的。
入力ミスをシステム側で判断し、
間違った入力をさせないように
しているから逆に使いづらい。
とりあえずバーコードだけ
発行したいときもあれば、
予定外に入出荷が
発生することもある。
中小の製造業って
毎日がハプニングの連続。
予定通りに一日が
終わる方が少ない。
なので
「これがないと入力できません」
「先にこれを入力してください」
っていうシステムは
正直使いにくい。
多少間違えても
ひとまず先に進む。
間違いは気付いた時に
直せばいい。
M:netはそんなシステムです。
日本の製造業は
品質第一でガチガチに
作りこむことを
良しとしてきましたが、
ゆるくていいところは
もっとゆるくても
いいんじゃないか。
そんなことを考えさせられる
システムです。M:net。
そして自由度が高いだけに
それを自社の業務に当てはめるには
現場の協力が不可欠。
そして時間がどんどん
過ぎていき今に至る・・・。
でもやっと形が見えてきて、
現場への導入一歩手前
まで来ましたよ。
こういうシステム開発の
ノウハウって案外
共有されてないんですよね。
特にひとり情シスが多い
中小企業は。
もっとファジー(久しぶりのフレーズ)
な作りでもうまくいくんやないか
と思います。
今日はデータを入れる器について
書くつもりでしたが
システム構築の一番最初、
ツールの選定だけで
文字数使っちゃったので
これ以降はまた今度書きます。
中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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