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三島由紀夫はアクシズを落とすのか、 それともアクシズの上でタヒぬのか

思索ノート

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1. NHK「バタフライエフェクト 映像の世紀」を観て、三島由紀夫に引っかかる

最近、NHKの 「バタフライエフェクト 映像の世紀」で昭和の文豪たちを取り上げた回を観た。

 

 

太宰治、芥川龍之介、川端康成——
国家と戦争に翻弄され、時代に飲み込まれた作家たちの姿が重い空気とともに胸に迫る。

その中で、最後に登場したひとりだけ、明らかに“別ベクトル”の空気をまとう人物がいた。

 

三島由紀夫

 

戦後という空気と真正面でぶつかり、文学者でありながら政治行動に踏み込み、自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹するという極端な最期。

「なぜここまで行ったのか?」

「彼の求めた理想って何?」

「現代の価値観で理解できるのか?」

その“引っかかり”が、今回の思想の旅の出発点。

 

そこから、

 

三島由紀夫

ラストサムライ

昭和のオヤジ

シャア

 

という、思わぬ思考の連鎖の旅に入っていく。

 

2. ラストサムライで三島を理解してみる

 

三島由紀夫の最期を改めて見直したとき、最初に思い出したのが映画 「ラストサムライ」

滅びゆく侍たちの誇り、覚悟、死によって生を完結させる精神。

 

 

三島が追い求めた“美しい日本の精神”というのは、まさにあの世界観そのものに近い。

侍たちの価値観は、現代から見れば極端に見えるけれど、彼らの中では筋が通っていた。

 

三島も同じだ。

 

彼の最期は軍国主義ではなく、“美学の完成”だった。

「死は行動によって美として示される」
という、現代の私たちとは全く違う座標軸。

だから理解しづらい。

 

でも、ラストサムライを経由すると少しだけ分かる

 

3. 一方で昭和のオヤジたちとは“根っこ”が違う

ここでふと頭をよぎったのが、昭和の価値観を振りかざす“昭和のオヤジ”たち。
彼らの懐古趣味というかなんというか。
「昔は~だった」「俺が若いころはなんたら」とかやたら口にする人たち。

 

だが、比べてみると当然ながら全然違う。

 

・三島:自分に刃を向けた美学の人

 

・昭和ハラスメント:他人に刃を向ける欲望の人

 

同じ「昔を絶対視する」構造はあるものの、三島は自己犠牲昭和のオヤジは他者犠牲

よーく比べてみると、三島は誠実さの方向に狂っているが、昭和のオヤジはただ欲望を理屈でコーティングしているだけなんよね。

 

ここでようやく、
「三島と昭和のオヤジは似て非なるもの」
という線が引ける。

 

4. そして急にシャアが頭に浮かぶ──美学の暴走 vs 理想の暴走

さらに思索にふけっていくと、機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルが急に浮かんだ。

彼もまた、人類への失望や退化への怒りを抱え、地球へのアクシズ落としという極端な「世界矯正」をしようとする。

 

ここで対比が面白い。

 

シャア:
理想を叶えるために“他者を巻き込む暴力”

 

三島:
理想(美学)を示すために“自分を破壊する暴力”

 

アムロの「それはエゴだ!」は完全に現代倫理だ。
三島の思想は現代とズレていて、シャアはさらに危険側に振れた。

 

美学の破滅と理想の暴走。

 

似ているようで、決定的に違うんよね。

 

5. 三島由紀夫はアクシズを落とすのか?

──その答えはきっと「NO」。そして…

ここが今回の旅のクライマックス。

 

三島がシャアの立場ならアクシズを落としたのか?

 

答えははっきりしている。

 

落とさない。

 

なぜなら、三島の破滅は“外向き”ではなく、常に“内向き”だからだ。

世界を変えるために他者を巻き込むのではなく、自分の死で問いを残そうとするタイプ。

だからこそ、最も三島らしい答えは——

 

「アクシズの上でタヒぬ。」

 

この一言に尽きる。

 

破滅の矛先は常に自分。
他者を強制しない。
世界を壊すのではなく、
世界の目の前で自分を終わらせる。

それが、三島の“誠実な狂気”であり、
シャアとは決定的に違う部分。

 

6. 美学・欲望・絶望──3つの座標軸で見えてくるもの

今回の思考の旅をざっくりまとめるとこうなる。

 

三島由紀夫
美学のために自分を壊す人(内向きの破滅)

 

昭和のオヤジ
欲望のために他者を縛る人(外向きの支配)

 

シャア・アズナブル
理想のために世界を壊す人(外向きの破壊)

 

同じ“絶望”を抱えても、人はこうも違う方向へ進む。

そして現代を生きる私たちは、美学でも理想でもなく、もっと“今を生きたいように生きる”価値観でいい、と思った。

 

三島を理解しようとすることは、彼のように生きる必要を意味しない。

ただ、「なぜあそこまで行ったのか」を知ることで現代の自分の価値観がくっきりと浮かび上がる。


※本稿は、三島由紀夫をめぐる思索についてChatGPTとの対話を重ねる中で生まれた視点をまとめたものです。
AIとの対話は、既存の価値観や思考の枠を超えて、自分でも気づかなかった問いを引き出してくれる、そんな“もう一人の思考パートナー”のような存在でした。

 

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名前村上 郁
住まい奈良県

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17年間IT業界に身を置き
2012年製造業のWeb担当に転身。

2020年から新免鉄工所のDX事業部にて
社内外のDXを推進中。