生産性と社員のモチベーションが
上がる工場の作り方

TOCで変わる在庫の見方:本当に利益を生んでいるのはどっちの工場?

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「在庫は資産」と考えていませんか?工場の現場を見たとき、製品や部品がたくさん並んでいると「仕事が回っている」「儲かっている」と感じるかもしれません。しかし、TOC(制約理論)を学ぶと、在庫が持つ本当の意味が見えてきます。

この記事では、在庫と利益の関係をTOCの視点で掘り下げ、本当に儲かる工場とは何かを考えていきます。


在庫が多い工場 vs. 在庫が少ない工場

在庫が多い工場の見え方と実態

一見すると、在庫が豊富な工場は賑やかで活気があり、繁盛しているように見えます。社員は忙しく動き回り、倉庫には製品や部品がぎっしり。取引先からの注文が多く、売上も高いように感じます。

しかし、実態はどうでしょう?

  • 過剰在庫によるキャッシュフローの圧迫
    • 在庫は売れない限り「コスト」です。倉庫に眠る在庫はキャッシュを圧迫し、資金繰りを悪化させます。
  • 不必要な作業が増え、残業が常態化
    • 過剰在庫をさばくために、社員が無駄な作業を強いられ、長時間労働が発生。結果的に薄利多売に陥りやすい。
  • 工程の混乱とリードタイムの延長
    • 在庫が多すぎると、生産ラインの流れが複雑化し、納期遅れや品質トラブルの原因になりやすい。

つまり、「忙しい=利益が出ている」ではなく、「忙しすぎる=無駄なコストが多い」可能性があるのです。

在庫が少ない工場の見え方と実態

一方で、在庫が少ない工場はどうでしょう?工場内は静かで、社員もゆったりと仕事をしているように見えるかもしれません。時には「今日はもう品物が来ないなら帰る?」と言いたくなるほど落ち着いていることも。

しかし、これは「仕事がない」のではなく、「無駄な仕事をしていない」状態です。

  • 必要なものだけを適切なタイミングで生産
    • TOCに基づいた工程管理ができているため、無駄な在庫を持たず、必要なときに必要な分だけ生産。
  • キャッシュフローの健全化
    • 過剰な在庫を持たないため、資金が固定化されず、会社全体のキャッシュフローが改善。
  • 生産の安定と社員の働きやすさ
    • 無駄な残業が減り、納期遅れのリスクも少ないため、社員の労働環境が向上。

このように、在庫が少ない工場は「仕事がない」のではなく、「利益を生むための最適な状態」を保っているのです。


TOCの視点で利益の本質を見極める

TOCでは、工場全体の流れを「制約(ボトルネック)」を中心に最適化することで、最大限の利益を引き出すことを目指します。そのためには、次のような考え方が重要です。

  1. 在庫は「資産」ではなく「コスト」
    • 在庫は売れるまで現金化できないため、持ちすぎると会社の負担に。適正在庫を維持することが利益につながる。
  2. 工場の忙しさよりも「流れ」を見る
    • 工場全体のスムーズな流れを確保し、不要な工程を排除することが利益を最大化する鍵。
  3. ボトルネックを最適化し、無駄を減らす
    • 生産のどこに「制約(ボトルネック)」があるのかを見極め、それを改善することで全体の生産性が向上。

結論:賑やかな工場が儲かるとは限らない

TOCを学ぶと、在庫や工場の見え方が変わります。

「忙しく働いているから利益が出ている」は誤解であり、本当に儲かる工場は、無駄をなくし、キャッシュフローを健全化し、最適な生産体制を整えている工場なのです。

もし、あなたの工場や会社で「とにかく忙しい」「在庫が減らない」「社員が疲弊している」と感じるなら、一度TOCの視点で見直してみてください。利益を生む本当の仕組みが見えてくるはずです。

🔹 まずは自社の在庫状況をチェック!
「なぜこの在庫がここにあるのか?」を問い直し、利益を生む流れを作る第一歩を踏み出しましょう!

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中小製造業専門のIT参謀
村上 郁 (むらかみ かおる)
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営業時間 平日9時~18時
定休日 土日祝

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中小製造業のDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

17年間IT業界に身を置き
2012年製造業のWeb担当に転身。

2020年から新免鉄工所のDX事業部にて
社内外のDXを推進中。