久しぶりに漫画『GIANT KILLING』を読み返しました。
以前、人に勧められて読んだときは、正直あまり楽しめませんでした。主人公・達海猛の型破りな采配を「チームビルディングの教科書」として読もうとしていたからです。参考にしよう、学ぼう。そういう姿勢でページをめくっていました。

ところが今回は違いました。
心に引っかかったのは、監督の達海ではなく元GMの笠野でした。
理想ばかり口走って、深刻な事態には何もしていなかった。
ただの傍観者と同じだった。
この言葉が妙に重く感じられました。
自分も同じではないか。
私はDXやIT推進を担当しています。だが心のどこかでこう思っていました。
「社長が号令をかけないと全体は動かない」
「社長が社員に説明してくれないと浸透しない」
それは事実でもあります。中小製造業ではトップの意思が大きな影響を持つからです。
だが、その事実を理由に歩みを止めていなかったか。
問題が見えているのに、解決前提で外に出さない。誰かに話しても愚痴で終わる。具体的な行動に変えない。
それは単なる傍観者です。
GIANT KILLINGで笠野はフロントに復帰し、サポーターや外部との接点を持ちながら、クラブ全体をより広い視点で見直していきました。

立場が変わったのではありません。関わり方が変わったのです。
私は何を変えるのか。
ちょうど現場から「これ、システムでできないのかな」という声が耳に入りました。以前なら、「社長に説明してもらわないと広がらない」と思っていたかもしれません。
だが今回は違います。
まずはその当事者と15分話す。何に困っているのか、どれくらい困っているのか、解決すると何が変わるのかを聞く。そして小さく形にしてみる。
社長が動くかどうかを、最初の成功条件にしない。
中間の立場の覚悟とは、全部を背負うことではありません。接点を減らさず、小さな行動を積み重ねることです。
理想を語るだけのDX担当にはなりたくない。
まずは一つ、動いてみます。
| 中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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