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若者の才能を受け入れる勇気が未来を創る 〜『ゴジラ-1.0』のVFXチームから学ぶDX時代の人材育成〜

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2月1日放送のNHKの『プロジェクトX』で取り上げられた『ゴジラ-1.0』のVFXチームの成功は、日本の映像技術がアメリカ・ハリウッドの最先端に追いついた歴史的な瞬間でした。

 

 

特に印象的だったのは、SNSを通じて無名の若者が発掘され、チームに加わったことでVFXのクオリティが飛躍的に向上した点です。

 

これは映像業界に限らず、すべての業界で重要な示唆を与えてくれます。もはや「Face to Faceでの指導が必須」「経験を積んだベテランこそが最高の成果を出す」という固定観念は時代遅れかもしれません。

 

これからの時代、企業はどのように人材育成やチーム作りをしていくべきなのか? 本記事では、この事例をもとにDX時代に求められる教育や組織のあり方について考察します。


1. 独学の力とデジタル時代の学習環境

『ゴジラ-1.0』のVFXに関わった若者たちは、YouTubeなどを活用して独学で高度な技術を習得しました。これはまさに、デジタル技術がもたらした学習環境の進化を象徴するものです。

 

かつての「学び」と今の「学び」の違い

従来、技術の習得には 師匠から弟子への直接指導専門学校・大学での学習 が必要でした。しかし、今ではインターネット上に膨大な量の情報があり、誰でも自分のペースで学ぶことができます。

 

例えば、YouTubeにはプログラミング、デザイン、動画編集、AI活用など、あらゆる分野の学習コンテンツが無料で公開されています。

 

これにより、「学歴」や「職歴」に関係なく、意欲と努力さえあれば世界最高水準のスキルを習得できる時代 になったのです。

 

企業に求められる「学びの場」の変革

しかし、多くの企業では依然として 「OJT(On the Job Training)」や「座学研修」 が主流です。もちろん、実務経験を積むことは重要ですが、独学のスピード感や最新技術のキャッチアップには限界があります。これからの企業には、以下のような取り組みが求められます。

 

社員が 自主的に学べる環境を整える(社内オンライン学習プラットフォームの提供、学習支援制度の充実)

 

社外の優秀な人材とも積極的にコラボレーションする(オープンイノベーションの推進)

 

「若手の発想力 × ベテランの経験」を融合させるチームビルディング

 

このような取り組みを行うことで、企業は 新たな価値創造 に取り組めるようになります。

 

 


2. 年齢や経験を超えて才能を受け入れる組織文化

今回のVFXチームが素晴らしかったのは、すでに業界の第一線で活躍していたベテランたちが、無名の若者を受け入れたこと です。

 

これは決して簡単なことではありません。多くの職場では、「若手はまず経験を積んでから」「自分たちのやり方を学んでから」と、新しい人材が活躍する場を制限してしまいがち です。

 

しかし、VFXチームは 「この若者たちのスキルを活かせば、作品のクオリティが上がる」 と判断し、彼らを積極的に迎え入れました。この柔軟な姿勢こそが、今回の成功を生んだ最大の要因といえるでしょう。

 

「ベテランの壁」を乗り越えるために

企業でも、以下のようなアクションが重要になります。

 

年功序列ではなく、実力主義の評価制度を導入する

 

「若手 × ベテラン」のペアリング制度を設け、互いに学び合う環境を作る

 

若手の意見を積極的に取り入れる「ボトムアップ型組織」へシフトする

 

TOC(制約理論)では、組織のボトルネック(制約)を特定し、それを改善することで全体の生産性を高める考え方が重要視されています。もし、「ベテランのプライド」がボトルネックになっているなら、それを解消するための取り組みが必要です。

 


3. 教育の役割は「教える」から「学び続ける」にシフト

これまでの教育のあり方は、「上の人が下の人に教える」という一方向の流れが基本でした。しかし、デジタル時代では 「教える側が学び続けなければならない」 という新しいスタンスが求められています。

 

例えば、ChatGPTやAIツールを活用すれば、知識の検索や業務効率化が飛躍的に向上します。しかし、これを使いこなせない管理職が「そんなものは不要」と言ってしまうと、組織の成長が止まってしまいます。

 

つまり、これからの 「教育者」や「リーダー」 に求められるのは、「常に学び続けること」なのです。

 


結論:柔軟な組織こそがDX時代を生き抜く

『ゴジラ-1.0』の成功は、日本のVFX業界にとって革命的な出来事でした。しかし、それ以上に重要なのは、この成功が 「無名の若者を受け入れた組織の柔軟性」 によって生まれたという事実です。

これからの時代、企業や組織が生き残るためには、以下のポイントを意識する必要があります。

 

学び方をアップデートし、自主的な学習を支援する

 

年齢や経験にとらわれず、才能を柔軟に受け入れる

 

教える側も常に学び続ける姿勢を持つ

 

「若者は未熟だ」「ベテランが正しい」という固定観念を捨て、互いに学び合う文化を築くことが、DX時代における企業成長のカギとなるでしょう。

あなたの会社では、若手の才能を受け入れる準備ができていますか?
今こそ、組織のあり方を見直す時かもしれません。

 

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中小製造業専門のIT参謀
村上 郁 (むらかみ かおる)
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中小製造業のDX部長

                               
名前村上 郁
住まい奈良県

Profile

17年間IT業界に身を置き
2012年製造業のWeb担当に転身。

2020年から新免鉄工所のDX事業部にて
社内外のDXを推進中。