「教えて欲しいこと」と「教えるべきこと」は、必ずしも一致しない――。
研修や教育の現場で、このテーマは重要な分岐点になります。特に、中小企業の経営者や研修担当者にとって、社員の「知りたいこと」を叶えることが目的となりがちですが、それが果たして会社の目標達成や業績改善に直結するのでしょうか?
昨年末、私が研修を担当しているとある企業で社長が幹部社員に向けて「自分たちが教えて欲しいことを村上さんに伝えるのも必要なんじゃないの?」とおっしゃったそうです。自分たちが学びたいことを学ぶ。これはとても大切なことですが、果たして社外から私のような外部講師を呼ぶ研修スタイルとしてはいかがなものか
この記事では、「教えて欲しいこと」と「教えるべきこと」の違いを明確にし、なぜ後者にフォーカスすべきなのかを論理的に解説します。そして、どうすれば社員が「自分たちの手で業績を上げた」と実感できる研修をデザインできるのか、その具体的な考え方とアプローチを共有します。
研修において、「社員が興味を持つ内容」を優先することは一見魅力的です。なぜなら、社員のモチベーションが高まり、研修への参加意欲が上がるからです。しかし、以下の点に注意が必要です。
こうした背景から、「教えて欲しいこと」だけに焦点を当てる研修は、一時的な満足感を生むだけで、実質的な成果に結びつかない可能性があります。
一方で、「教えるべきこと」にフォーカスする研修は、以下の点で本質的な成果を生み出します。
とくに後者についてはすでに実績があります。昨年実施した、とある新規顧客開拓策が功を奏し、年間売上の底上げに寄与しました。社員の皆さんも「これをやってなかったら今頃どんな業績になっていたか、恐ろしい」と口を揃えていました。こういう、「自分たちの手で」を増やしていくことも私のミッションです。
とはいえ、社員の「知りたいこと」を完全に無視して「教えるべきこと」だけを押し付けるのは逆効果です。では、どうやって両者のバランスを取ればいいのでしょうか?
私はこの部分にTOC(制約理論)やMG(マネジメントゲーム)、MQ会計を織り込んでいます。会社の真の姿を見つめ、今本当にやるべきことは何か、を明確にするからこそ研修が実のあるものになります。
私の研修の目的は、「知識を得る満足感」を与えることではなく、「社員が自分たちの手で業績を上げた」という実感を生むことにあります。そのためには、社員の「教えて欲しいこと」を受け入れる姿勢を持ちながらも、本当に「教えるべきこと」にフォーカスした内容を届ける必要があります。
皆さんも研修では、ぜひ以下のステップを実践してみてください。
この記事を読んで、「自社の研修をもっと成果に直結させたい」と感じた方は、ぜひご相談ください。一緒に、会社を次のステージへ引き上げる研修を作り上げましょう!
中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
|
支援内容 |
ランディングページの制作支援 ITシステムの構築・運用のサポート |
---|---|
活動拠点 | 奈良県生駒市 |
営業時間 | 平日9時~18時 |
定休日 | 土日祝 |