vol.548
接触確認アプリ 化けるか
厚生労働省が6月19日から
運用を始めた接触確認アプリ。
人口の6割が利用すれば
感染を抑えるとされたが、
直近のダウンロードは
約1200万と1割弱。
ほぼ同時期に始まった
ドイツの2割の半分だ。(2020年8月12日付 日経新聞朝刊)
個人情報が不安、
めんどくさい、
よくわからない…
いろんな理由があるにせよ
このアプリが期待通りの普及に
至っていないのは明らか。
なんとなく、
いつどこに行ったかが
誰かに知られているようで
気持ち悪い、とか、
よくわからないものは
スマホに入れたくないとか、
そういう人は多い
と思います。
私は販管システムや
生産管理システムなどの
導入をする仕事を
していましたが、
ここだけの話、たいていは
うまく行ってませんでした。
その大きな理由は
現場の理解がないから。
いきなり明日から
このシステムを使いなさい
って言われて、
はいそうですかと
使えますか?
何のためのシステムなのか、
自分にとっては
何のメリットがあるのか、
そしてデメリットはないのか。
そんなことを考えると、
めんどくさ!ってなって、
使わなくなる。
でも導入する側からしたら
メリットしかないんですよね。
明るい未来しかないから、
なんでこんなにええもん使わんの?
ってなる。
そこには前提となる
知識や経験という
大きな谷が広がっているわけです。
それも、ちょっとくらい
勢いをつけたら
飛び越えられるような谷
ではありません。
じゃあ、どうするん?
新しいものに対する
理解のない組織には
〇〇システムの導入は無理?
そんなことはないですよ。
先の日経の記事には
続きがあります。
「4割利用」で効果も
この6割という
数字にも思い込みが。
4割がアプリを利用し、
接触通知を受けた人が
外出を6割控えれば
累積感染者数は半減する
ー日本大学生産工学部は
こんなシミュレーション結果を
7月28日に発表した。(2020年8月12日付 日経新聞朝刊)
この日経新聞の記事でも、
フェイスブックの戦略が
有効とされています。
映画『ソーシャル・ネットワーク』
で描かれていましたが、
フェイスブックはごくごく
私的な目的から始まり、
次第に大学生市場を席巻し、
やがては世界を包み込む
ようになります。
今のFacebookだけを見ていると
様々な機能があり
他社のシステムとの連携もできる
とんでもないシステムに
見えますが、
スタート時点はとても
小さなところから始まります。
そこから口コミで利用者が広がり、
結果として今の姿になりました。
私は前職でビジネスチャットの
Chatworkをたった2人で
使い始めました。
それこそ口コミで
Chatworkの便利さが伝わり
だんだん使う人が増え、
最終的には20名以上の全社員が
「チャットにアップしといて」
「チャットのあれ、どうなった?」
とチャットベースで
コミュニケーションを
取るようになりました。
業務上、メールもろくに
使っていなかった社員も含め
全員がチャットベースに
切り替わったんです。
最初に小さなコミュニティーで
価値が認められると、
口コミで連鎖的に
シェアが広がるということ。
接触確認アプリも
その利用メリットを
実感できれば普及は進む。
企業で導入する
〇〇システムも同じです。
何のために導入するのか、
導入したら何が良くなるのか、
明るい未来(と一時的にかかる負荷)を
しっかり理解して進める。
でも人それぞれ理解の
仕方も早さも違う。
だからまずは小さな部署、
チームから始めましょう。
生産管理なら管理部門、
事務部門で取り組み始め
徐々に生産現場での
利用を進める。
接触確認アプリは
スマホの更新時に
ダウンロードされる方法が
採用されそうです。
ある意味強制的に
使わせる部分もありつつ、
基本はそのメリットを
感じた人が使って広めていく。
いきなり全員に使わせる、
いっぺんにガラッと変える、
これでは失敗のリスクが
高まります。
小さく産んで
大きく育てることが、
〇〇システムの導入を
成功させる一つのポイントです。
中小製造業専門のIT参謀 村上 郁 (むらかみ かおる) |
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